2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Quality of lipids in biological systems |
Project/Area Number |
15H05904
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
横溝 岳彦 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60302840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 雄一 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90153650)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪酸 / 免疫細胞 / 抗炎症性脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
a) マクロファージM1/M2分化における脂肪酸の影響:ロイコトリエンB4受容体BLT1がM2マクロファージのみに発現し、傷害網膜へ浸潤し、VEGF放出を介して病的血管新生を促進していることを明らかにした。また、レーザー傷害網膜でロイコトリエンB4が産生されていることも明らかにした(JCI insight 2018)。 b) T細胞Th0/1/2/17分化における脂肪酸の影響:脂肪酸の不飽和化を担う酵素FADH2の遺伝子欠損マウスを作製した。通常食では遺伝子改変マウスの臓器の脂肪酸組成に大きな異常は観察されなかったが、アラキドン酸除去食を摂食させることで、肝臓をはじめとした多くの臓器において、細胞膜脂質における高度不飽和脂肪酸の割合が減少し、脂肪酸組成を変化させることが可能であることが分かった。一方、脳や網膜といった臓器では高度不飽和脂肪酸の減少が観察されず、何らかの不飽和脂肪酸保持機構が存在することが分かった。 c) 不飽和脂肪酸食によるアレルギー性結膜炎の予防効果:マウスに亜麻仁油を含有する特殊飼料を2ヶ月間投与し、ブタクサ花粉を用いたアレルギー性結膜炎への効果を検証した。亜麻仁油含有食摂取マウスでは、結膜への好酸球浸潤、結膜炎スコアや顔面のひっかき回数が大きく減少した。一方で、血液中のIgEやTh2サイトカイン濃度に変化は無かった。結膜の脂質解析を行ったところ、LTB4やPGD2といった炎症性の脂質メディエーターが大きく減少し、LTB5やPGD3などの生物活性が低い代謝物に変換されていることが分かった。DHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸摂取が、花粉症の症状を軽減させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の平成30年度に記載した通りに研究が遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる本年度は、酵素FADH2の遺伝子欠損マウスの餌の脂質組成を変化させることで、マウス臓器・細胞の脂質の不飽和度を変化させ、免疫疾患モデル、炎症性疾患モデルを用いて、細胞膜脂質の不飽和度の変化が疾患に与える影響を観察する。また、Th0/1/2/17分化に伴って発現が変化した脂質代謝酵素の遺伝子欠損マウスの作製を行っている。これらのマウスを完成させ、T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージの機能的なアッセイを行い、細胞膜脂質の不飽和度の変化がもたらす炎症・免疫反応の変化を観察する。
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Research Products
(44 results)