2016 Fiscal Year Annual Research Report
Live imaging of cell-to-cell communication
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
15H05949
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 道行 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅山 健太 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, ユニットリーダー (00370114)
築地 真也 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40359659)
平塚 拓也 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (90641639)
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Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 蛍光タンパク質 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / タンパク質リン酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
FRETバイオセンサーを発現する培養細胞やトランスジェニックマウスを蛍光顕微鏡あるいは多光子顕微鏡で観察することで、細胞間コミュニケーションを可視化し、そのメカニズムを解析した。 1.RhoファミリーGタンパク質により活性化されるセリンスレオニンリン酸化酵素ROCKの活性を測定するFRETバイオセンサーを作成した。ROCK阻害剤で低下し、Rhoを活性化することで確かにFRET効率が変化することを確認できたので、トランスジェニックマウスの作成を開始した。 2.ERKマップキナーゼのFRETバイオセンサーを発現する培養細胞を用いて癌遺伝子の恒常的発現がどのようにERKを制御しているかを解析した。その結果、RasやRafといったERKの上流因子の恒常的活性化においても、細胞密度が高いとERK活性化が抑制されていることがわかった。これは、ERKの活性化に必要なスレオニン残基が脱リン酸化されていることを明らかにした。阻害剤を用いた実験により、PPPサブファミリーのセリンスレオニン脱リン酸化酵素がこの細胞密度依存性ERK抑制に寄与している可能性が示唆された。 3.AキナーゼのFRETバイオセンサーを発現するトランスジェニックマウスに腫瘍細胞を接種し、その腫瘍内血管でのPKA活性を測定した。その結果、腫瘍内血管では皮下正常血管と比較するとPKA活性が低く、これが血管透過性の亢進をもたらしていることが示唆された。そこで、PKAの活性をcAMPアナログで上昇させたところ血管透過性が低下した。さらに、血管内皮細胞増殖因子受容体の阻害剤を投与したところPKA活性が上昇し、血管透過性が低下した。これらの結果は、血管内皮細胞増殖因子による血管透過性の少なくとも一部はPKA活性の抑制によることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進んでいるが、トランスジェニックマウスを作成する実験において、発現量が十分でないものがあり、その計画は若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、トランスジェニックマウスの生体観察と中心に進めていく予定である。
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Research Products
(15 results)