2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cancer metastasis research that makes full use of innovative imaging technology and medaka as a model of cancer
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
15H05952
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
今村 健志 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (70264421)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 良介 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40508818)
齋藤 卓 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (60588705)
出口 友則 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30415715)
|
Project Period (FY) |
2015-06-29 – 2020-03-31
|
Keywords | バイオテクノロジー / 癌 / 遺伝子 / タンパク質 / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
革新的生体イメージング技術とがんモデルメダカを開発し、がん転移メカニズム解析と創薬スクリーニングに応用することを目的にした研究は、おおむね順調に進展した。機器開発として、より広視野の均一化した2光子励起光シート型顕微鏡の開発を推進し、具体的には、光毒性の少ない2光子励起光源において、ベクトルビームを導入することで、従来のガウシアンビームに比べ、細長いビームを形成することに成功し、1.5 mmの幅の均一なシートを実現できた。実際のイメージングにおいては、メダカ稚魚の全身の高解像イメージングに成功し、長期間の生態観察においてメダカへの光傷害は確認されなかった。画像処理については、制御系ソフトウエアを改良し、3Dイメージングを実現した。また、深部観察のための2光子励起顕微鏡のZ軸の空間分解能改善に関しては、液晶アクティブ光学素子に加え、サンプルへナノシートを応用し、界面の屈折率差のミスマッチ改善の基礎データを得た。画像解析については、基礎実験として、テクスチャ画像情報を用いた定量形態計測に成功した。また、メダカに移植したヒトがん細胞のがん微小環境を解析するための画像解析技術の開発を開始した。がんモデルメダカの開発は順調に進み、ヒトがん細胞移植メダカにとして、前年度までに作製したDNA依存性プロテインキナーゼであるPrkdc遺伝子(SCID)とIL-2受容体γ鎖(XSCID)の変異メダカの詳細な機能解析を進め、鱗移植による免疫反応への影響の検討、遺伝子解析等が進んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展している。機器開発として、より広視野の均一化した2光子励起光シート型顕微鏡の開発を推進した。具体的には、光毒性の少ない2光子励起光源において、ベクトルビームを導入することで、従来のガウシアンビームに比べ、細長いビームを形成することに成功し、1.5 mmの幅の均一なシートを実現できた。実際のイメージングにおいては、メダカ稚魚の全身の高解像イメージングに成功し、長期間の生態観察においてメダカへの光傷害は確認されなかった。画像処理については、制御系ソフトウエアを改良し、3Dイメージングを実現した。(担当今村・高根沢) また、深部観察のための2光子励起顕微鏡のZ軸の空間分解能改善に関しては、液晶アクティブ光学素子に加え、サンプルへナノシートを応用し、界面の屈折率差のミスマッチ改善の基礎データを得ることができた。(担当今村・川上) 画像解析については、基礎実験として、テクスチャ画像情報を用いた定量形態計測に成功し、論文発表した。また、メダカに移植したヒトがん細胞のがん微小環境を解析するための画像解析技術を開発するために、領域内の横田グループとの打ち合わせを進めた。(担当今村・齋藤) がんモデルメダカの開発は順調に進んだ。ヒトがん細胞移植メダカにとして、前年度までに作製したDNA依存性プロテインキナーゼであるPrkdc遺伝子(SCID)とIL-2受容体γ鎖(XSCID)の変異メダカの詳細な機能解析を進め、鱗移植による免疫反応への影響の検討、遺伝子解析等が進み、論文登校準備中である。(担当今村・出口)
|
Strategy for Future Research Activity |
革新的生体イメージング技術とがんモデルメダカを開発し、がん転移メカニズム解析と創薬スクリーニングに応用する研究課題を引き続き進める。具体的には、新規光シート型顕微鏡の開発として、レンズや光学系に工夫を凝らした光シート型顕微鏡の開発を目指す。具体的には、前年度までの成果を元に、ベクトルビームによってより広視野の均一化した励起シート光を実現する光シート型顕微鏡を開発する。さらに、制御系ソフトウエアを改良し、3D+タイムラプスの4Dイメージングを実現化する。(担当今村・川上・齋藤) また、Z軸の空間分解能を改善し、生体深部での蛍光観察を可能にする走査型多光子励起顕微鏡の開発を進める。また、光シート顕微鏡の特性を活かす透明化技術の開発・応用を進める(担当今村・川上) 画像解析については、領域内の横田グループとの共同研究を含め、メダカに移植したヒトがん細胞のがん微小環境を解析するための画像解析技術を開発する。(担当今村・齋藤) 一方、がんモデルメダカの開発として、ヒトがん細胞移植メダカについては、前年度までに構築・解析したDNA依存性プロテインキナーゼであるPrkdc遺伝子(SCID)とIL-2受容体γ鎖(XSCID)の変異メダカに加え、新たにRag2遺伝子の変異メダカの開発と解析を進める。(担当今村・出口)
|
Research Products
(15 results)