2016 Fiscal Year Annual Research Report
Recognition of compartment by microglia and its regulation of Scrap&Build
Project Area | Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system |
Project/Area Number |
16H06458
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 淳 京都大学, 高等研究院, 教授 (30511894)
|
Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
|
Keywords | スクランブラーゼ / 細胞膜 / リン脂質 / 神経 / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちはこれまで、細胞膜におけるリン脂質スクランブル機構を明らかにするために研究に取り組み、2種類の細胞膜スクランブラーゼ(TMEM16F,Xkr8)を同定してきた。それぞれ10つ、9つのメンバーから成るファミリーを形成しており、それらの幾つか(TMEM16: TMEM16C, TMEM16D, TMEM16E, TMEM16G, TMEM16J; Xkr: Xkr4, Xkr9)はスクランブラーゼ活性を有していることを見出した。本研究において私たちは、上述したスクランブラーゼの中で神経細胞に強く発現するXkr4に注目して解析を進めている。Xkr4の神経細胞における機能を明らかにするには、まず最初にXkr4の活性化機構を明らかにすることが重要であると考えこれまで研究を進めてきた。特に当該年度はXkr4の活性化機構を明らかにすることに注力し実験を行った。Xkr4はカスパーゼによる切断で活性化されるが、切断されたXkr4(Xkr4ΔC)を発現させても活性化しない。そこでまずは、代表者がこれまでに同定した2つの細胞膜上スクランブラーゼ(Xkr8, TMEM16F)を欠損した細胞を作製しこの細胞にXkr4ΔCを安定的に発現させた。その後、リン脂質スクランブラーゼ活性をホスファチジルセリン(PC)の取り込みで評価し、FACSを用いたソーティングにより自発的にPCを取り込む細胞を取得した。この過程を繰り返すことで結果的には、生きたままリン脂質をスクランブルする(PCを取り込む)変異細胞を樹立するこができた。この細胞のXkr4をCRISPR/Cas9 systemを用いてノックアウトするとスクランブラーゼ活性が消失したことからXkr4が恒常的に活性化した細胞を樹立することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Xkr4が恒常的に活性化した細胞を得たことで、今後Xkr4の活性化機構を調べるのに必要なツールができたと考えられ、具体的に分子同定に向けてアプローチできるため、おおむね順調に進展していると結論付けた。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでにXkr4が恒常的に活性化した細胞 [active Xkr4 (acXkr4)細胞]を取得することに成功している。今後はこの細胞よりcDNA libraryを作製し発現クローニングを行う予定である。具体的には、acXkr4細胞よりtotal RNAを調製し、Oligotex-dT30ビーズを用いてmRNAを精製する。その後、reverse transcriptaseを用いた逆転写により1本鎖cDNAを合成し、通常のPCRで2本鎖cDNAを合成する。その後、cDNAをin fusionの系を用いてレトロウイルスベクターpMXsに挿入する。cDNAが挿入されたpMXxベクターをエレクトロポレーションにより細胞に導入した後、プラスミドを回収し数百万クローンから成るcDNA libraryを調製する。その後、cDNA libraryをXkr4ΔCを発現する親細胞に感染させ、スクランブラーゼ 活性を獲得した細胞をソーティングにより取得し、挿入されたcDNAをシークエンシングにより同定する。
|
Research Products
(4 results)