2016 Fiscal Year Annual Research Report
ナビゲーションにおける画像情報分析基盤の整備とヒトの行動分類
Project Area | Systems Science of Bio-navigation |
Project/Area Number |
16H06540
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
玉木 徹 広島大学, 工学研究院, 准教授 (10333494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤吉 弘亘 中部大学, 工学部, 教授 (20333172)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | ナビゲーション / 人物検出 / 行動認識 / 動作認識 / 行動解析 / 移動軌跡 / ディープラーニング / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、本計画班の構成員が開発してきた最先端の映像認識技術に立脚し、野生動物やペットなどに装着したカメラから得られた映像や、人間が撮影した映像など、これまでの映像認識技術では処理が困難な自己移動を含む映像を、安定かつ頑健に認識する技術を開発し、本領域における画像・映像情報分析のための基盤技術を構築する。本年度の実績は以下のとおりである. ・B01生態学チームから提供された鳥視点映像の認識.海鳥に取り付けられた画像ロガーの動画像は,カメラのブレが激しく,また映像の内容も空・海上・海中と変化が大きい.この映像に対して,まず各フレームに対してCNNを適用し,識別的な特徴量を抽出して,それをSVMにより認識した.その出力である各クラスへの事後確率を,拡張パーティクルフィルタを用いて平滑化することで,安定した認識が可能となった. ・人物動作の識別.シーン中の人物行動を認識するためには,カメラの運動や多種多様な背景への対応などが必要となり,挑戦的な研究課題である.本研究ではシーン中に軌跡を密に抽出し,それらを局所的に統合するした軌跡集合特徴量(trajectory set)を提案し,標準ベンチマークデータセットを用いた実験によって既存手法を上回る性能を確認した. ・その他,時空間特徴量を用いた人物動作認識,ディープラーニングを用いた人物検出,畳み込みニューラルネットワークやカーネル手法を用いた認識などの研究を行い,次年度以降の研究開発の基盤を固めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,画像ロガーの映像や人物動作映像など,本研究が対象とする映像に対する認識手法を開発できており,おおむね順調に研究が進んでいる.ただし,当初予定していた動物に取り付けた画像ロガーの映像の入手が遅れており,その部分の研究があまり進展していない.機械学習やディープラーニングを用いた認識のためには大量のデータが必要となる.一般的には各クラスに対して数千個の訓練サンプルが必要とされている.しかし,例えば海鳥に取り付ける画像ロガーの映像は,一年間に数十本が得られる程度であり,圧倒的に訓練サンプルが足りない状況である.そのため,動画を大量のフレームに分けて学習サンプルを増やして認識することを当初考えており,実際に試みたが,動画像としての時系列変化を考慮して高精度な認識を行うためにはやはり映像の本数も必要であることが判明した.
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Strategy for Future Research Activity |
大量の画像ロガー映像の入手が現在のところ困難であるため,今後は,本研究の比重を人物の行動認識において研究開発をすすめる.本領域で開発している多機能ロガーには画像ロガーも搭載されているため,その開発が進んで映像が入手できるようになるに従い,画像ロガー映像認識にも比重を移していくことにする.その基盤技術として人物行動認識手法が適用できると予想されるため,今後はまず様々な人物映像に対する行動の認識や動作の認識の手法を検討する.
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Research Products
(16 results)