2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cultures of reconciliation and memories which concerns with Wars and colonial rules
Project Area | Creation of the study of reconciliation |
Project/Area Number |
17H06339
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浅野 豊美 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60308244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 礼子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00275504)
青山 瑠妙 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (20329022)
米倉 律 日本大学, 法学部, 教授 (20734726)
小菅 信子 山梨学院大学, 法学部, 教授 (30319082)
武井 彩佳 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (40409579)
李 海燕 東京理科大学, 工学部教養, 准教授 (50708196)
成田 龍一 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (60189214)
丁 智恵 東京工芸大学, 芸術学部, 助教 (90794545)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 記憶 / 感情 / 歴史認識 / メディア / ジャーナリズム / 映画 / ドキュメンタリー / ドラマ |
Outline of Annual Research Achievements |
他班と頻繁な連絡を行いながら、オンラインによる会議で共同研究会を持った。オンラインにてメディア関係者の方のインタビューを兼ねて「日韓ドラマ共同制作の時代-その遺産から見る日本の現状」(2021年6月)「日本ドラマ再活性化に向けた法体制を目指して」(同年7月)等を開催した。日本放送作家協会の理事長や日本ドラマ連盟理事を招待して、テレシネマ7に象徴される日韓ドラマ共同制作の背景とその後の展開を取材した。 コロナで遅延した作業として、8月ジャーナリズム以外に、キネマ旬報などを中心とした、ドキュメンタリー映画、娯楽映画のデータベースを構築する作業があったが、無事に完遂された。戦後日本における文化的記憶が、東アジアで展開された戦争と植民地支配をめぐって、どのような映画作品やドキュメンタリー番組等を中心とした大衆メディアによって、国民的記憶へと転換され、再生産され、語り直され、国民に受容されたのかを分析する基礎的な資料となった。 かつて国益やパワーの次元での「妥協」に近いものとして各政府が中心となって実現した「政府間和解」の枠組みを、いかに市民間和解と対話させ、記憶や価値の相互認知・社会の相互進化と結びついた「国民間和解」へとつなげていくことができるのか、その使命を担ったのがメディアであり、媒介されたものこそアライダ・アスマンのいう「文化的記憶」であったことが指摘された。しかしながら、東アジアでは各国が経済発展に成功したことによって、国内における民主化以前の権威主義を支えた保守勢力が、対抗する「想起の文化」として貧困からの脱出に由来する「豊かさ」や「平和」という社会全体に関わる価値を掲げるようになり、国内及び国際間で激しい歴史問題が生じるようになったことが指摘された。民主化後のアジアにおいて、国民がダイナミックに変化していく過程として、メディアを考察する必要性が改めて認識された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベース作成は業者の都合やその他の事情で遅れたが、インタビューや研究会は引き続き行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースの構築に向けて作業を継続する。和解学叢書第6巻に向けた原稿を完成させる。
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Research Products
(28 results)