2006 Fiscal Year Annual Research Report
海洋に沈着する大気粒子中の微量元素と有機物質および海洋起源大気粒子の生成過程
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
18067005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植松 光夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60203478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 公隆 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70201449)
三浦 和彦 東京理科大学, 理学部, 講師 (00138968)
長田 和雄 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (80252295)
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Keywords | 環境分析 / 環境変動 / 大気現象 / 地球化学 / 地球変動予測 |
Research Abstract |
エアロゾル質量分析計ATOFMSを米国から購入し、陸上で試験稼働させた。米国カルフォルニア大学のプラザー教授と連絡を取り、保守や消耗品などの必要なものを準備した。測定限界、精度、安定性を調整し、装置特性を把握する。船舶用として搭載可能なシステムを構築するが、陸上観測局での稼働の可能性を調査した(植松)。 小笠原諸島・父島にて2001年より2006年までに採取した海洋エアロゾル試料を分析し、有機エアロゾルの季節変化、経年変化を明らかにした。全試料中で、シュウ酸(C2)が優位を示し、マロン酸(C3)、コハク酸(C4)が続いた。直鎖ジカルボン酸の濃度範囲は、3.5-623ngm-3であり、偏西風が強い冬・春に高い濃度を示した。東アジアからの汚染物質の長距離大気輸送が重要であることが示唆された。一方、アゼライン酸(C9)は夏に高い濃度傾向を示し、海洋からの不飽和脂肪酸の放出とその酸化分解が重要であることを示した(河村)。 海塩粒子の生成について文献調査を行い,海水学会誌に解説記事をまとめた。「みらい」MR04-7航海で行った海面付近の鉛直分布の観測結果について、厦門での国際会議で発表した。海洋起源の新粒子生成のモニタリング候補地として、落石岬と大槌を選定し、海洋研究所大槌研究センターの2007年度共同利用が採択された。温度制御型シェルターを制作した(三浦)。 従来のマイクロフロー高感度アンモニア計を用いて、海洋大気中での観測用に感度向上実験を行った。OPAを用いるフローインジェクション分析計へ試料を導入する前濃縮処理として、適切な濃縮カラムとキャリアー溶液の組み合わせを検討した結果、大幅に感度向上を図る目処がたった。また、板東班の高見班員と協力して、粗大粒子に含まれる硝酸イオンの沈着データを取得するための方法についても検討を行った(長田)。 本計画研究者4名全員が中国、厦門でのSOLAS International Open Science Meetingで研究成果を発表した。
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Research Products
(21 results)