2008 Fiscal Year Annual Research Report
海洋に沈着する大気粒子中の微量元素と有機物質および海洋起源大気粒子の生成過程
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
18067005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植松 光夫 The University of Tokyo, 海洋研究所, 教授 (60203478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 公隆 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70201449)
三浦 和彦 東京理科大学, 理学部, 講師 (00138968)
長田 和雄 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (80252295)
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Keywords | 環境分析 / 環境変動 / 大気現象 / 地球化学 / 地球変動予測 |
Research Abstract |
沖縄辺戸岬総合集中観測(3-4月)と白鳳丸SPEEDS/SOLAS共同観測航海(7-9月)に当研究課題の班員全員が参加した。辺戸岬集中観測でATOFMSを稼働させ、東シナ海上の気体からエアロゾルへの変質を測定し、解析を進めている。白鳳丸KH-08-2次航海と「みらい」MR08-6次航海にATOFMSを搭載し、外洋域の海洋エアロゾルの無機成分分布特性を明らかにし、赤道海域での海洋生物起源気体からの粒子化を計測した(植松)。辺戸岬にて採取したエアロゾル試料の有機成分分析より、大気塊がアジア大陸から輸送された時に、シュウ酸などのジカルボン酸類が高濃度で検出された。また、有機炭素/黒色炭素比は平均で3.9と平時よりも明らかに高く、大陸起源の汚染性有機エアロゾルとその前駆体が輸送過程で光化学的変質を受けていることが示唆された。白鳳丸航海では、海洋エアロゾル中全炭素・全窒素濃度並びその安定同位体比を分析し、陸もしくは海洋起源に分け、その寄与を評価した(河村)。 海洋起源のナノ粒子の生成を解明するために、辺戸岬と落石岬で粒径分布の連続測定を行い、微小粒子から黄砂や海塩粒子までの直径10-5000nmにわたる粒径分布変動を観測した。明確な生物起源気体による新粒子生成は見られなかったが、粒径分布のレベルを比較することができた(三浦)。 海洋大気計測用高感度アンモニア計の計測条件最適化を更に進め、白鳳航海と海鷹丸第27次遠洋航海の一部に参加し、洋上大気中のガス態・エアロゾル態アンモニア濃度を測定した。また、辺戸岬において他の計画班と連携し、粒径別の硝酸とアンモニウム、硫酸イオン濃度の分析を行った(長田)。 地球化学会年会や海洋学会でのセッションやIOC/WETPAC国際シンポジウム、IGAC国際シンポジウムなどで成果を発表した。
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Research Products
(37 results)