2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
18067012
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
横内 陽子 National Institute for Environmental Studies, 化学環境研究領域, 室長 (20125230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 伸哉 静岡県立大学, 環境科学研究所, 教授 (10228413)
伊藤 伸哉 富山県立大学, 工学部, 教授 (90213066)
大木 淳之 化学環境研究領域, NIESポスドクフェロー (70450252)
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Keywords | ハロカーボン / ヨウ化メチル / 塩化メチル / 大気観測 / 海洋観測 / 生成メカニズム / VOC |
Research Abstract |
(1)シリコンメンブランチューブを利用した気液平衡器を製作し、自然水中のハロカーボン類を毎時間自動測定するシステムを開発した。これを利用して、2008年1月に西部北太平洋亜寒帯域におけるハロカーボン類のフラックス測定を行った。海洋生物生産の少ない冬季においても、ヨウ化メチル,ジブロモメタン,ブロモホルム,クロロホルム等が海洋から大気中へ放出されていることを明らかにした。 (2)波照間島における大気中揮発性有機化合物の高頻度GC/MS測定によって得られたイソプレンとジメチルスルフィド濃度の解析を行った。春〜夏のイソプレン濃度については、島の植生による影響のほかに早朝に極大となる日変動が観測された。その極大値(2〜5ppt)は風速と相関があり、周辺海域から大気中に放出されていることが示唆された。 (3)植物プランクトンによるハロカーボンの生成を検討するための培養実験を行った。培養液中のハロカーボンを、自動パージ&トラップシステムGC/MSで測定した結果、クリプト藻Rhodomonas属の4株の植物プランクトンからヨウ素系ハロカーボン、CH_3IとCH_2ClIの生成が見られた。その内の1株は、クロロフィルa濃度当たりの生成量が珪藻の一種であるPhaeodactylum tricornutumに比べて二桁ほど高いことが分かった。 (4)モノハロメタン類を生成する海産性藻類(Pavlova sp.)から同反応を触媒する酵素遺伝子をクローニングするために、培養した藻体からcDNAライブラリーを作成し、保存性の高い配列情報を基にして目的酵素遺伝子のクローニングを行なったが、目的遺伝子は得られていない。他方、土壌のハロゲンイオン濃度に依存してヨウ化メチル等を生成するアブラナ科植物からは当該酵素遺伝子をクローニングすることができた。またイネ科植物にも当該酵素活性を発見した。
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Research Products
(5 results)