2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
18067012
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
横内 陽子 National Institute for Environmental Studies, 化学環境研究領域, 室長 (20125230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 伸哉 静岡県立大学, 環境科学研究所, 教授 (10228413)
伊藤 伸哉 富山県立大学, 工学部, 教授 (90213066)
大木 淳之 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, NIESポスドクフェロー (70450252)
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Keywords | ハロカーボン / ヨウ化メチル / 塩化メチル / 大気観測 / 海洋観測 / 生成メカニズム / VOC |
Research Abstract |
2008年7〜9月に西部北太平洋で大気中と海水中のハロカーボン分圧を連続測定した。生物生産の高い親潮-黒潮混合域では海水中の塩化メチル、ヨウ化メチル、臭化メチル、ジメチルサルファイド(DMS)の濃度が上昇した。植物プランクトンがハロカーボンやDMSを活発に生成していたことが考えられる。亜熱帯海域の表面海域の表面海水は栄養塩が枯渇して生物生産が非常に少なく、海水中の臭化メチルとDMSの濃度は低下した。しかし、塩化メチルとヨウ化メチルは水温の上昇とともに濃度が急激に上昇した。亜熱帯海域では光化学反応や求核置換反応など非生物課程によるハロカーボンの生成が関与していた可能性がある。 2008年秋に波照間島における大気中揮発性有機化合物の高頻度GC/MS測定の対象化合物として、新たにジョードメタン、クロロヨードメタン、ヨウ化エチルを加えた。ヨウ化エチル濃度の変動はヨウ化メチルと類似し、両者に共通の発生源が示唆された。光分解性の高いジョードメタンとクロロヨードメタンの大気中濃度には顕著な日変化が観測された。 パージ&トラップGC/MSを用いて、汽水湖におけるハロカーボン17化合物の定点観測を毎週行った。夏季から秋季にかけてブロモホルム、ジョードメタン、クロロヨードメタン等の濃度が高くなることを見出した。これらハロカーボン濃度はクロロフィルをはじめとする色素の濃度とは相関しなかった。生物相、生育環境の変化がハロカーボン濃度に影響していることが示唆された。 モノハロメタン類を生成する海産性藻類として、Pavlova sp.以外にも遺伝子解析が進んでいる珪藻の一種であるPhaeodactylum tricornutumに強いヨウ化メチル生成能を確認した。同反応を触媒する酵素遺伝子をクローニングするために、培養した藻体からcDNAライブラリーを作成し、保存性の高い配列情報を基にして目的酵素遺伝子のクローニングを行い、当該遺伝子と推定される酵素遺伝子の取得・発現に成功した。現在、遺伝子の解析を進めている。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Global Distribution and Seasonal Concentration Change of Methyl Iodide in the Atmosphere2008
Author(s)
Yoko Yokouchi, Kazuo Osada, Makoto Wada,Fumio Hasebe, Mario Agama, Ryuichi Murakami, Hitoshi Mukai, Yukihiro Nojiri, Yoko Inuzuka, Desiree Toom-Sauntry, Paul Fraser
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Journal Title
Journal of Geophysical Research 113
Pages: D18311
Peer Reviewed
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[Journal Article] Responses of DMS in the seawater and atmosphere to iron enrichment in the subarctic westem North Pacific(SEEDS-II).
Author(s)
Ippei Nagao, Shinya Hashimoto, Koji Suzuki, Shuji Toda, Yasushi Narita, Atsushi Tsuda, Hiroaki Saito, Isao Kudo, Shungo Kato, Yoshizumi Kajii, and Mitsuo Uematsu
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Journal Title
Deep-Sea Reserch part II (印刷中)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Production and air-sea flux of methyl halides in the westem subarctic Pacific in relation to phytoplankton pigment concentration during iron fertilization experiment(SEEDS-II)
Author(s)
Shinya Hashimoto, Shuji Toda, Koji Suzuki, Shugo Kato, Yasusi Narita, Michiko Kurihama, Yoko Akatsuka, Hiroshi Oda, Takahiro Nagai, Ippei Nagao, Isao Kudo, Mitsuo Uematsu
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Journal Title
Deep-Sea Reserch part II (印刷中)
Peer Reviewed
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