2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
18067012
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
横内 陽子 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 室長 (20125230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 伸哉 日本大学, 文理学部, 教授 (10228413)
伊藤 伸哉 富山県立大学, 工学部, 教授 (90213066)
|
Keywords | ハロカーボン / ヨウ化メチル / 塩化メチル / 大気観測 / 海洋観測 / 生成メカニズム / VOC |
Research Abstract |
2010年6月に北西太平洋の亜熱帯域で表面海水中のハロカーボン濃度を気液平衡器-ガスクロマトグラフ-質量分析計で船上測定した。2008-2009年の海洋観測結果を合わせて、表面海水中のヨウ素系ハロカーボンの動態を解析した。夏季にはヨウ素系ハロカーボン総濃度に対してヨウ化メチルが90%以上を占めたが、冬季は50~70%を占めるに過ぎなかった。夏季には表面付近でクロロヨードメタンが光分解するが、冬季には亜表層に蓄積したクロロヨードメタンが鉛直混合によって表面に輸送されるため、クロロヨードメタンの寄与が大きくなることが原因と考えられた。パージ&トラップGC/MSを用いて、汽水湖におけるハロカーボン類の定点観測を行い、ジョードメタン、クロロヨードメタン濃度が夏季に高くなることを、再確認した。さらに、平成21年度に単離されたハロカーボンを生成する微生物の遺伝子解析を行い、それらは海洋に広く分布するプロテオバクテリアに属することが分かった。また、クリプト藻の培養実験から、一部のハロカーボンはクロロフィル濃度が減少した後に増加することが明らかになった。 各種海洋性微細藻類の細胞破砕液中に、S-adenosyl-L-methionine依存ハライドイオンメチルトランスフェラーゼ(HTMT)の活性を見出した。ケイ藻Phaeodactylum tricornutum CCAP1055/1のゲノム情報をもとにHTMT遺伝子を単離・異種発現を行いその機能を確認したところ、ヨウ化物イオン(I)およびチオール基質([SH])に高い特異性を示した。また、ピコプランクトン類であるOstreococcus lucimarinusおよびSynechococcus sp.からもHTMT様遺伝子の単離・異種発現を行い、活性を確認した。
|
Research Products
(13 results)