2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトマターにおける連鎖構造・ネットワーク構造のダイナミクスとレオロジー
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
18068003
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
瀧本 淳一 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50261714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香田 智則 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60261715)
谷口 貴志 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60293669)
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Keywords | ベシクル / 膜内相分離 / モンテカルロ法 / 環動ゲル / 非線形弾性 / 会合性高分子 / 流動誘起液晶相 |
Research Abstract |
環動ゲルは架橋点が分子鎖に沿って移動出来る新しいゲルで、優れた力学物性等により注目されている。本研究では、環動ゲルのネットワークモデルを用いて一軸・二軸・平面伸長時の非線形弾性をシミュレーションし、一軸伸長の様な異方性の強い変形において滑車効果により化学ゲルのモデルであるneo-Hookeanモデルより応力が低下するなどの特徴を明らかにした。 従来の会合性高分子の研究では分子鎖両末端だけに会合基をもつ場合の研究例が多かった。我々は、実用上も重要な分子鎖中に多数の会合基をもつ場合について、会合性高分子が作るネットワークの線形粘弾性を、一本鎖近似の範囲で厳密に計算する方法を定式化した。それにより、解離・会合から生じる新しいラウス型緩和が存在することなどを見いだした。 近年、二次元連鎖構造である膜の内部自由度が膜変形に及ぼす影響が注目されている。最近、DHPCとDPPCの二成分ベシクル系において、一相状態から温度を降下させて膜内相分離を誘起させると、膜にpore(穴)が自発的に形成され、pore周辺の膜がroll状に変形することが報告された。本研究では、このroll状の構造の形成機構をモデル構築と数値計算により明らかにした。 我々が開発したモンテカルロ法にずり流動の影響を取り入れる手法を用い、棒状分子系がずり流動から受ける影響を調べた。このシミュレーションにより、流動誘起の等方-ネマチック相転移を確認し、液晶相での流動配向角を求めた。
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Research Products
(16 results)