2008 Fiscal Year Annual Research Report
受粉反応時に「ゲノム障壁」を誘起する花粉・柱頭因子の分子遺伝学的解析
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 正夫 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90240522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 剛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10314444)
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Keywords | 高等植物 / ゲノム障壁 / 新規不和合性 / 花粉-柱頭相互作用 / 遺伝子破壊系統 / 表現型 / 遺伝子発現 / 分子マーカー |
Research Abstract |
柱頭側一側性不和合性因子(SUI因子)単離に向けて、既存のSSRマーカーを用いた連鎖解析を行ったところ、Brassica rapa A4染色体上のBRMS195マーカーとの連鎖が認められた。500個体からなる分離世代を用いてSUI因子とマーカー間の連鎖距離を推定したところ、BRMS195から約8.2cMの距離にSUI因子が座乗していることを明らかにした。 LMD技術により葯発達ステージに沿った花粉とタペート細胞の遺伝子発現プロファイルを作製した。in silico解析などから、花粉とタペート細胞で遺伝子発現が同調していること、こうした特異的遺伝子を破壊すると不稔性が生じることを解明した。 花粉へのフイーダー細胞であるタペート細胞層は、通常、1細胞性花粉期にその役目を終え、2細胞性花粉期以降は機能を停止し減衰するが、低温ストレス時のササニシキ葯ではその減衰が正常に起こらず、花粉の発達を阻害していた。それに対してひとめぼれでは、低温ストレス下においてもタペート細胞は正常に減衰していた。つまり、低温ストレスによる花粉不稔は、タペート細胞の減衰異常がその原因であることを明らかにした。ササニシキ・ひとめぼれ各品種において、育成温度(常温vs. 低温)と発達ステージ(1細胞期vs. 3細胞期)毎のマイクロアレイ解析を行い、低温処理区のササニシキ1細胞性小胞子期に異常な発現挙動を示す遺伝子群や発現が誘導されない遺伝子群を見出した。 高速シーケンサーにまるsmall RNAの大量単離を試みた。日本晴1細胞性小胞子期葯を用いて300万クローンについて解析を行ったところ、42種の既報miRNAを含む約240万個の新規small RNA候補を単離した。
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Research Products
(74 results)