2020 Fiscal Year Annual Research Report
Water and soil environmental changes and dawn of urban mine around the early cities in Ancient West Asia
Project Area | The Essence of Urban Civilization: An Interdisciplinary Study of the Origin and Transformation of Ancient West Asian Cities |
Project/Area Number |
18H05447
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安間 了 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (70311595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 洋二 筑波大学, 生命環境系, 名誉教授 (00192469)
横尾 頼子 同志社大学, 理工学部, 助教 (00334045)
淺原 良浩 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (10281065)
下岡 順直 立正大学, 地球環境科学部, 准教授 (10418783)
中野 孝教 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 徳島大学専門研究員 (20155782)
佐野 貴司 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, グループ長 (40329579)
若狭 幸 弘前大学, 地域戦略研究所, 助教 (40442496)
堀川 恵司 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (40467858)
黒澤 正紀 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50272141)
八木 勇治 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50370713)
申 基チョル 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (50569283)
池端 慶 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (70622017)
丸岡 照幸 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80400646)
昆 慶明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (80709634)
鎌田 祥仁 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30294622)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 氾濫原堆積物 / 古環境変動 / 海進 / 地表面露出年代 / 古景観 / 古代都市 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナの影響下で予定していたすべての海外学術調査をキャンセルせざるを得なかったが、安間・黒澤・池端・横尾・中野らは前年度までに採取した試料やデータを用いて研究を推進した。研究分担者の淺原・丸岡らは海外研究協力者との共同研究を推進し、イラン各地に分布する鉱床や火成岩類の地球化学的性質や年代を明らかにしてイラン地域における地球化学データベースの整備に大きく貢献した。昆らはジルコンU-Pb法を用いて、鎌田らは微化石を用いて地質体の形成年代に制約条件を与えた。佐野・申らは氾濫原堆積物の化学分析を推進しながら、化学分析精度の向上につとめた。若狭はJarmo遺跡古景観復元、下岡はal-Aqarib遺跡を飲み込む砂丘の移動速度の推定を推進した。八木らは西アジア各地で生じた地震の解析を行った(以上については研究業績参照)。本計画研究は新学術領域の分析部門としての責を担っており、他の計画研究からの要求に応じて各種分析に貢献した。当初はイラク国遺跡調査と氾濫原堆積物の掘削、イラン国での金属鉱床調査、イラン国内10都市で毎月採取している降雨ステーションからの試料回収を行う予定であったが、コロナ影響の継続により海外での現地学術調査はすべて見合わせた。旅費は令和3年度に繰り越して研究を継続した。シュメール都市国家群の揺籃の地であるイラン国南部の古環境変動を探るため、海外研究協力者はメソポタミア地方南部の古代都市ウル付近で、上層部の氾濫原堆積物を含み、およそ7,000年前に生じた海進時に堆積した海成堆積物に達するロガー試料の掘削に成功し、コロナ蔓延に伴う運輸の困難にも関わらず同試料を輸入することができた。柱状試料の粒度、色指数、化学組成、帯磁率などの測定を行い、結果の一部は安間ほか「堆積物柱状試料と地形からみるメソポタミア下流域の堆積環境の変遷と塩害」令和3年度科研費研究年次報告書に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ蔓延の影響により海外学術調査をキャンセルせざるを得なかった上に、活動の拠点であるイラク・イランを始めとする西アジア諸国への送金の制限、貨物の輸出入の遅延や困難、運送代金の価格の高騰により、様々な形で困難が生じている。多大な時間をかけて準備してきた人的交流も度重なる延期を強いられ、必要な研究資料が十分に得られないなかで、海外研究協力者の努力により現地での活動は維持されており、都市文明の発展過程と古環境変動との関連性を研究するためにバイタルであったメソポタミア南部でのロガー試料の掘削と試料の輸入に成功した。また、新石器革命期の古景観を復元するための重要遺跡であるJarmo付近での宇宙線生成核種を用いた地表面露出年代の測定、古代都市を飲み込もうとする砂丘の移動速度の推定といった当初計画は、前年度までに採取した試料を利用して、規模を縮小しつつも順調に進んでいると言える。なかでも、研究分担者の淺原らは海外研究協力者の協力を得て多数の原著論文を海外学術誌に掲載し、イラン各地での地球化学データベースの作成に大きく貢献した。また、新学術領域の分析部門としては、多数の研究分担者がさまざまな測定機材を維持・運用しながら、領域のニーズに答える各種分析を推進する体制を維持することができた。コロナの影響のため令和2年度の技術支援体制は運用困難になったものの、令和2年度計画の海外学術調査旅費を繰り越して令和3年度には海外研究協力者によるロガー試料採取と試料の輸入、計画研究のホームページの整備、技術補佐員を任用して研究体制の再整備を行い試料の各種測定を推進するなど、予定よりも充実できた部分もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
海外調査や人的交流、流通の困難によって、新規に試料を得る機会は大幅に制限されているが、海外研究協力者の努力によりコア試料を得ることができ、またコロナ蔓延以前に採取した試料を利用して、遅延と規模の縮小を伴いつつも当初予定した方針に従って、おおむね順調に進んだ。海外調査や試料の輸入困難、人的交流の制限による計画遅延の影響は時間とともに顕著に現れることが予想され、次年度以降は手元にある試料のみでの研究計画の推進は困難の度合いを増すものと思われる。したがって、全体の計画としては当初目的をすべて達成するのは困難な状況に陥りつつあることは否めない。最終年度の令和4年度にいたるまで、本計画研究終了後も研究が発展できる余地を残すように、これまでできなかった海外調査や人的交流を再開する機会を伺いながら、これまで得られた結果を著作や論文などの出版物として公表していくことに務める。最終年度には海外研究協力者を招いて新学術領域全体として国際シンポジウムを開催することを目指す。
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Research Products
(32 results)
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[Presentation] Carbon and oxygen isotopes and 14C age of travertine and spring water in NW Iran2020
Author(s)
Zhang, Y.B., Asahara, Y., Kaneko, M., Minami, M., Amin-Rasouli, H., Azizi, H.
Organizer
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
Int'l Joint Research
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[Presentation] Geochemistry and geodynamic of the Early Cretaceous granitoid, northern Sanadaj-Sirjan Zone, NW Iran2020
Author(s)
Gholipour, S., Azizi, H., Masoudi, F., Asahara, Y., Tsuboi, M.
Organizer
日本地球化学会第67回年会
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[Presentation] Genesis of the phlogopite pegmatite in the Ghareh Bagh area, northwest Iran, using the apatite chemistry2020
Author(s)
Daneshvar, N., Azizi, H., Asahara, Y., Tsuboi, M., Hosseini, M.
Organizer
日本地球化学会第67回年会
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[Presentation] Paleoenvironmental reconstruction of northwest Iran based on 14C age and chemical compositions of travertines2020
Author(s)
Zhang, Y.B., Asahara, Y., Minami, M., Kaneko, M., Amin-Rasouli, H., Azizi, H.
Organizer
日本地球化学会第67回年会
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