2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Experimental Social Sciences: Toward Experimentally-based New Social Sciences for the 21st Century |
Project/Area Number |
19046002
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 和巳 Waseda University, 政治経済学術院, 教授 (20308133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 幹 早稲田大学, 高等研究所, 客員准教授(専任扱い) (40241286)
芹澤 成弘 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90252717)
瀋 俊毅 広島市立大学, 国際学部, 専任講師 (10432460)
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Keywords | 社会関係資本 / メカニズム・デザイン / 公共財供給 / 環境 / 実験 |
Research Abstract |
社会関係資本はPutnam(1993, 2000)によると「社会的ネットワーク、およびそこから生じる互酬性、信頼性の規範」であり、それは社会的ジレンマにおける協調行動を促し、社会全体の効率性を改善しうる。本研究の目的は、実験手法を用いて、適切な社会関係資本の尺度を構築し、社会関係資本が全体として効率性を増加させるかどうかを検証することにある。また社会的ジレンマ解決に対して社会関係資本が与え得る可能性を実験で探る。 平成20年度までに(1)社会関係資本と協調行動に関する実験、(2)公共財供給における社会関係資本の形成に関する実験、(3)社会関係資本の集団拘束性に関する実験、(4)規範的感情と社会関係資本形成に関する実験、これら4つの実験研究を開始した。(1)に関しては、環境意識に対して収入・学歴・年齢・性別といった社会経済的属性が強く影響することが分かった。(2)に関しては、公共財供給問題における日中比較実験、世論調査に実験の要素を組み入れた新しいタイプの実験を行い、日中のおける行動の違いや協力行動における期待の役割に関して知見を蓄えた。(3)に関しては、一方では、生産の場における分業がどのような条件下で被験者の協力行動を促すのかに関する実験を行った。他方では、自集団と他集団の認知に関する違いが公共財供給に及ぼす集団実験を行った。(4)に関しては、様々なレベルでの信頼を分類し、それぞれの信頼が社会的ジレンマや公共財供給問題において協力行動に及ぼす影響を分析した。 このように当初に予定していた計画を着実にこなし、その結果も英文論文、国際学会での発表を通じて世界に発信している。
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Research Products
(12 results)