2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Experimental Social Sciences: Toward Experimentally-based New Social Sciences for the 21st Century |
Project/Area Number |
19046002
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 和巳 Waseda University, 政治経済学術院, 准教授 (20308133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 毅彦 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (90246778)
渡部 幹 , 高等研究所, 客員准教授(専任扱い) (40241286)
芹澤 成弘 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90252717)
瀋 俊毅 広島市立大学, 国際学部, 専任講師 (10432460)
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Keywords | 社会関係資本 / メカニズム・デザイン / 公共財供給 / 環境 / 実験 / 協力 / ニューロサイエンス |
Research Abstract |
19年度には、社会関係資本に関するワークショップを開催し、この知識を下に20年度にかけて、(1)社会関係資本と環境意識に関する調査と実験、(2)公共財供給における社会関係資本の形成に関する実験、(3)社会関係資本の集団拘束性に関する実験、(4)規範的感情と社会関係資本形成に関する実験を開始した。21年度には、これらの実験研究を、国際比較、ニューロサイエンスを視野に入れて推進し、新たに(5)社会関係資本とメカニズム・デザインに関する実験を行った。 これらの実験研究の進捗状況は以下の通りである。(1)に関しては、ラボ・フィールド実験を日中において実施し、社会関係資本を測る信頼行為は、協調行動の有無、リスクや公平に対する選好、他人への期待等に影響され、また被験者の年齢と強い負の相関があることが判った。(2)に関しては、公共財に関する情報が人々の協力行動に与える影響をWeb実験によって検討した。その結果、人々は公共財の効果を明記した情報を受け取った場合、他者も自分と情報を共有しているという「幻想」をもち、公共財を供給することが判った。(3)に関しては、社会関係資本として「分業」を想定し、ラボ実験を日本で行った。結果として、「分業」で貢献できなかった人は、自分より「分業」の成績が良かった人に対して、PDで協力することが判った。(4)に関しては、他者の信頼性判断に重要となる心理的・制度的要件を特定するための行動実験、他者信頼時の神経生理学的基盤とその個人差についての脳イメージング、行動実験を行った。(5)に関しては、メカニズム・デザインの参加問題を吟味し、社会構成員全員が参加する制度設計の不可能性が理論的に示された。実験においては、公共財の供給費用だけではなくその質も考慮した公共入札モデルの検証を行った。理論の予測通り、「手抜き」防止ルールがないと、倒産しそうな企業が低い額で入札し、工事を落札し、手抜き工事をすることが判った。
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Research Products
(13 results)