2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白井 正文 Tohoku University, 電気通信研究所, 教授 (70221306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 良雄 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10361198)
阿部 和多加 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (00361197)
小田 竜樹 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30272941)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 計算物理 / ハーフメタル / ホイスラー合金 / ヘテロ接合 / スピン注入 / 量子ナノ構造 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
非磁性半導体または非磁性金属にスピン偏極した電子を高効率に注入するためのスピン源を、電子状態の第一原理計算に基づいて理論設計することを目的とした研究を実施し、以下の成果を得た。 1.IV族半導体への高効率スピン源を探索するために、高スピン偏極ホイスラー合金とSiのヘテロ接合の電子状態を第一原理計算し、接合界面の原子配列と電子状態との相関を明らかにした。特に、ホイスラー合金とSiの(110)界面において高スピン偏極率が保持されることを初めて見出した。この成果は、Siへの高効率スピン注入を実現するための重要な知見を与えるものである。 2.垂直磁気材料として知られる規則合金FePtと単結晶MgO障壁を用いたトンネル接合のスピン源としての有用性を検討するために、FePt/MgO/FePt(001)接合を透過するスピン依存伝導特性を第一原理計算し、接合界面の原子配列とトンネル電子のスピン偏極率との相関を明らかにした。特に、Fe終端界面を有するトンネル接合に対して、400%を越える巨大なトンネル磁気抵抗効比が得られる可能性を初めて指摘した。この成果は、FePt/MgO(001)接合が非磁性半導体または非磁性金属へのスピン源として利用する際に、スピン注入の高効率化を実現するための指針を与えるものである。 3.非磁性金属表面における磁性金属ナノ構造を利用した高効率スピン源を探索するために、Pt(111)ならびに(001)表面上に積層したFe単原子層やFe単原子鎖の磁気異方性を第一原理計算し、これらのナノ構造におけるFe原子は面内磁化容易軸をもつが、Fe単原子層の上に更にPt原子層を積層することにより顕著な垂直磁気異方性が得られることを理論的に確認した。この成果は、表面ナノ構造において垂直磁化を実現するための指針を与えるものである。
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Research Products
(9 results)