2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048009
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
前川 禎通 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, センター長 (60005973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 道康 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (30396519)
家田 淳一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (20463797)
安立 裕人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (10397903)
高橋 三郎 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (60171485)
大江 純一郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 博士研究員 (40510251)
|
Keywords | 磁壁 / スピン流 / スピン起電力 / スピンゼーベック効果 / スピンホール効果 / スピン波 / フォノンドラッグ / スピンポンピング |
Research Abstract |
本研究課題では、磁壁運動によるスピン起電力の研究および、熱、音波、力学的回転を用いたスピン流生成の研究を行った。従来の起電力は、1831年ファラデーによって発見された電磁誘導の法則に基づき、電子の「電荷」に電磁場が作用することに起因する。一方、2007年に本研究グループで電子のもつ「スピン」に起因する起電力「スピン起電力」が理論予測され、後に実験で確証された。我々は、電気-磁気エネルギー変換の新原理である「スピン起電力」の生成機構解明、および高効率化に向けたデバイス構造の提案、最適化に関する理論研究を行い、主に以下の成果を得た。s-d型交換相互作用模型に基づくスピン起電力理論を構築し、スピン起電力の数値計算アルゴリズム開発を行い、強磁性体中の局在磁化ダイナミクスとスピン起電力の関係を明らかにした。特に、磁気渦運動によるスピン起電力の解明、断面積非一様な磁性細線中の磁壁移動を用いた外部磁場印加不要なスピン起電力の解明、強磁性共鳴を用いたスピン起電力の連続発信、スピン起電力を用いた磁気ヘッドの発明などを行った。 上記の電子スピンに着目した理論研究に関連し、我々は新たに熱・音波・力学的回転を用いたスピン流生成の研究を行った。中でも、熱-磁気エネルギー変換の新原理である「スピンゼーベック効果(SSE)」の発見(2008年)以来その発現機構の理論的解明が望まれていた。我々は、SSEにおける伝導電子、スピン波、格子振動の寄与を線型応答理論、並びに数値シミュレーションで解明した。特に、磁性絶縁体で観測されたSSEでは、「スピン波スピン流を媒介するSSE」というシナリオを確立し、スピン信号の長距離性の理論説明に成功した。また、格子振動が熱を流す過程でスピン流生成する「フォノンドラッグSSE」を提唱し、低温のSSEの増強を理論的に予言、後に複数グループの実験で実証された。
|
Research Products
(82 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Inverse spin-Hall effect induced by spin pumping in metallic system2011
Author(s)
K.Ando, S.Takahashi, J.Ieda, Y.Kajiwara, H.Nakayama, T.Yoshino, K.Harii, Y.Fujikawa, M.Matsuo, S.Maekawa, E.Saitoh
-
Journal Title
J.Appl.Phys.
Volume: 109
Pages: 103913-1-103913-11
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Spin Seebeck Insulator2010
Author(s)
K.Uchida, J.Xiao, H.Adachi, J.Ohe, S.Takahashi, J.Ieda, T.Ota, Y.Kajiwara, H.Umezawa, S.Maekawa, E.Saito
-
Journal Title
Nature Materials
Volume: 9
Pages: 894-897
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-