2009 Fiscal Year Annual Research Report
| Project Area | Novel States of Matter Induced by Frustration |
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19052003
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
常次 宏一 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (80197748)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
中村 裕之 京都大学, 工学研究科, 教授 (00202218)
藤本 聡 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10263063)
花咲 徳亮 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (70292761)
中辻 知 東京大学, 物性研究所, 准教授 (70362431)
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| Keywords | 物性実験 / 物性理論 / フラストレート系 / 磁性 / 量子伝導 |
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| Research Abstract |
まず、パイロクロア酸化物Pr_2Ir_2O_7において外部磁場・磁化がない状況でも低温でホール効果が発現することを見出し、カイラルスピン液体状態による説明を与えた。2次元三角格子系NiGa_2S_4の純良単結晶を育成しその特性を明らかにした。類縁物質FeGa_2S_4、Fe_2Ga_2S_5の圧力下の電気伝導性を明らかにし、圧力誘起のスピンガラス・固体相転移の可能性を議論した。さらに遍歴電子フラストレート系、および局在系と遍歴系の中間に位置づけられる金属クラスタ系において物質探索を行い、ηカーバイド型化合物が有望であることを見出した。また、新しいパイロクロア遍歴電子反強磁性体YMn_2Zn_<20>において、重い電子状態が実現していることを明らかにした。
βパイロクロア物質におけるアルカリ金属イオンの非調和量子振動効果を理論的に研究し、超伝導転移温度と非調和性の関係の検討を行い、非調和性が中間の大きさである場合に転移温度が最高となることを示した。擬似的な三角格子を含む希土類金属間化合物における電荷フラストレーションを研究し、SmNiC_2においては、磁場印加により抵抗が1桁減少する巨大磁気抵抗を見いだした。さらに、GdNiC_2において、逐次的な相転移現象を発見した。
さらに、スピンカイラリティに起因するトポロジカルなBerry位相を起源とするスピン波が担うホール効果が可能であることを理論的に明らかにし、実際にスピン波のホール効果を示す微視的なフラストレート磁性体のモデルを提示した。また、スピン1/2カゴメ格子物質ボルボサイトおよびベシニエイトの純良試料を作成し、特異な基底状態や磁場誘起逐次相転移を発見した。
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