2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 光浩 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70185817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 信一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90324821)
桑原 裕司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00283721)
大門 秀朗 大阪大学, 九州工業大学大学院・工学研究科, 准教授 (20324816)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 表面・界面物性 / 走査トンネル顕微鏡 / 触媒金属 / 吸着物性 / 電子物性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、原子・分子、クラスターで修飾されたカーボンナノチューブ(CNT)の表面・界面物性を評価することである。CNTへのガス分子や触媒金属の吸着により、電気伝導度などの物性が著しく変化することが報告されているが、その表面・界面物性は明らかにされていない。本研究では、被覆型機能性ナノプローブにより、修飾CNTのナノ電子物性、吸着物性、ナノ電気伝導特性などの計測を行い、修飾CNTの表面・界面物性を多角的に評価することを目指す。本年度は、Pt修飾単層CNT(SWNT)のガス吸着特性ならびに未修飾SWNTの電子物性を調べた。 ガス吸着特性は、SWNT薄膜ガスセンサーを用いて評価をおこなった。SWNTにPtを修飾することにより、COを1ppmレベルまで室温で高感度選択検知可能であることがわかった。また、ガス吸着に伴うPt修飾SWNTのコンダクタンスの変化量は、CO濃度(1-10ppm)に比例して増加することがわかった。実験結果にもとづいて、Pt修飾SWNTのCO検知は、 Pt触媒表面上のCO酸化反応によるSWNTへの電子供給であり、Langmuir-Hinshelwood機構に従うことを明らかにした。 STM用金属探針にSWNTを直接成長させて作製したSWNT探針のSTS測定により未修飾SWNTの電子物性の評価をおこなった。その結果、フェルミエネルギー付近で有限の値をもち、van Hove特異点が明瞭な、金属SWNTの状態密度を示すスペクトルが得られた。理論計算との比較により、このスペクトルは(18,6)のカイラリティのSWNTの状態密度と最もよく一致することがわかった。以上の結果は、作製したSWNT探針によって、基板からの電荷移動による影響を排した、SWNT本来の状態密度の精確な計測が可能となることを示している。
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