2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054012
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 光浩 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70185817)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 信一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90324821)
桑原 裕司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00283721)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / 表面・界面物性 / 吸着・脱離特性 / 単層カーボンナノチューブ薄膜ガスセンサー / 二酸化窒素 / 原子状水素 / 昇温脱離分光 / トンネル電流誘起発光分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、修飾カーボンナノチューブ(CNT)のナノ電子物性、吸着物性、ナノ電気伝導特性などの計測をおこない、修飾CNTの表面・界面物性を多角的に評価することである。本年度は、NO_2および原子状水素に対する、単層CNT(SWNT)のガス吸着・脱離特性を調べた。また、トンネル電流誘起発光分析用超高真空STMシステムの立ち上げを進めた。 ガス吸着特性は、SWNT薄膜ガスセンサーを用いて評価をおこなった。Langmuirの吸着等温式にもとづいて、NO_2ガスに対するセンシング特性の定量解析をおこない、センサー応答とガス濃度との関係を求めた。また、NO_2分子に対する付着係数及び吸着エネルギーを実験的に見積もった。さらに、SWNT薄膜ガスセンサーを用いたガス吸着特性導出法を提案した。 次に、SWNT薄膜上の原子状水素の吸着特性について、SWNT薄膜ガスセンサーおよび昇温脱離分光(TDS)を用いて解析をおこなった。SWNT薄膜上の原子状水素吸着には非活性型と熱活性型の2種類の吸着状態があり、室温では前者が支配的であることがわかった。また、水素原子の脱離の次数は1次であり、その活性化エネルギーは1.7eVであることがわかった、これらの実験結果は、最近の理論計算の結果を説明できるものである。 トンネル電流誘起発光分析用超高真空STMシステムについては、液体ヘリウムによって試料を約4Kまで冷却可能であり、安定した吸着構造(STM像)および発光像・スペクトルの取得が可能と、なる。また、超高真空中でのPhotoluminescence測定のため外部からのレーザー入射が可能な測定配置をとり、微小領域でのElectroluminescenee測定のための可動電極も装備する予定である。
|