2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 光浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70185817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 裕司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00283721)
本多 信一 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90324821)
田畑 博史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00462705)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 表面・界面物性 / 吸着・脱離特性 / ZnO / 紫外光応答 / 単層カーボンナノチューブ探針 / 状態密度 / トンネル電流誘起発光分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、修飾カーボンナノチューブ(CNT)のナノ電子物性、吸着物性、ナノ電気伝導特性などの計測をおこない、修飾CNTの表面・界面物性を多角的に評価することである。本年度はZnO被膜SWNT(ZnO-SWNT)のO_2の脱離・吸着を介した紫外光応答特性を調べ、大気成分ガスの酸素分子の脱離・吸着が被膜CNTに及ぼす影響を評価した。また、トンネル電流誘起発光分析用超高真空・極低温走査トンネル顕微鏡(STM)システムを用いて、SWNTからの発光スペクトルを計測した。 ZnO-SWNTのコンダクタンスは紫外光照射下で急激に減少し、照射停止後は緩やかな回復を示した。この光応答の大きさや回復速度はZnO膜厚によって著しく変化した。ZnO表面からの酸素脱離過程及び再吸着過程の速度論的解析により、ZnO表面には初期付着確率め異なる2種類の吸着サイトが存在し、ZnO膜厚によって、それらの存在比率が異なることを示唆する結果が得られた。 また、微弱発光検出機構を組み込んだ極低温超高真空STMシステムを用いて、同一のSWNT探針からのトンネル電流誘起発光スペクトルとSTSスペクトルの取得することに成功した。STSスペクトルと計算結果の比較により、探針上のSWNTはカイラル指数(20,3)の半導体的なSWNTと同定された。また発光スペクトルでは690nm(1.78eV)にピークのあるスペクトルが観測され、このエネルギーがSWNT(20,3)のvan Hove特異点間の発米遷移ε_<33>と一致することが分かった。個々のSWNTの局所電子状態密度と発光エネルギーとの強い相関が得られたことかち、孤立したSWNTの発光メカニズムの解明、および発光材料としての応用展開が期待される。
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