2010 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉のトリチウム蓄積・排出評価のための理論およびシミュレーションコードの開発
Project Area | Tritium Science and Technology for Fusion Reactor |
Project/Area Number |
19055005
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大宅 薫 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (10108855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 忠良 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (90299173)
冨田 幸博 自然科学研究機構核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (40115605)
中村 浩章 自然科学研究機構核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (30311210)
清水 勝宏 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (30391262)
畑山 明聖 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (10245607)
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Keywords | 核融合 / トリチウム / プラズマ壁相互作用 / 周辺プラズマ / シミュレーション |
Research Abstract |
第一壁をベリリウムとし、タングステンダイバータとCFCダイバータのそれぞれを想定したITER炉内のトリチウム蓄積量評価が可能となった。また、周辺プラズマ輸送コードと壁不純物コードの結合による自己無撞着なモデルの構築と、ダイバータ総合コードとコアプラズマ輸送コードとの統合化に成功し、これらをJT-60UやASDEX-Uなどの国内外の核融合装置実験の解析やJT-60SAのダイバータ設計に使用するとともに、トリチウムと不純物の炉内大域的な流れの理論モデルを構築した。さらに、炉内のダスト粒子挙動に係る理論モデルをITERの周辺プラズマおよびダイバータプラズマに適用し、第一壁からのベリリウムダストも含めトリチウム蓄積評価を開始するなど、目標達成に向けた道筋が見えた。一方、プラズマ・壁相互作用コードによるタングステンと炭素の混合層の解析や、分子動力学コードとのハイブリッドコードの開発など、プラズマ対向材料のより現実的なトリチウム蓄積と放出挙動評価へ向けて着実に進展した。また、タングステン表面での水素同位体の表面励起過程の解析のほか、周辺プラズマ中のトリチウムと不純物の原子分子過程に顕著な同位体効果が表れることを示した。これらは除去量の定量的評価と炉内トリチウム除去開発にフィードバックされる。平成23年度は、開発した総合シミュレーションコードの国内外大型装置実験とのベンチマークを進め、コードの更なる性能向上を図る。また、炭素、タングステン、ベリリウムのトリチウム蓄積・放出挙動を解析し、ITERにおける炉内のトリチウム蓄積率の更なる評価精度の向上を図り、炉内トリチウム蓄積率の低減と除去の観点から核融合炉の炉材料選択に資する。
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Research Products
(150 results)