2011 Fiscal Year Annual Research Report
相関分光法を用いた凝集体タンパク質の品質評価の確立
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
19058001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金城 政孝 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (70177971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三國 新太郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (40435954)
北村 朗 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 助教 (10580152)
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Keywords | 生物物理 / 生体分子 / 蛍光測定 / 分子集合体 / 酵母プリオン |
Research Abstract |
生きた細胞内ではタンパク質は動的に相互作用を繰り返し機能している。このようなタンパク質の機能を明らかにするために生細胞内で複合体や凝集体の形成や相互作用の強さの定量的かつ高感度な検出システムの構築を目的とした。そのため全反射型蛍光相関装置の高感度化と生細胞内におけるタンパク質凝集検出システムの構築を行いタンパク質社会研究に貢献した。 蛍光相関測定はこれまで生細胞内では同時に一箇所の測定しかできなかった。そこで蛍光相関分光測定に多点検出装置を導入し,かつ検出器の感度を上げ,生きた単1細胞について7点同時測定を可能とした。生きた細胞内における,タンパク質の3次元的分布変化の測定を試みる。 また,酵母におけるプリオンタンパク質であるSup35とHsp104の相互作用解析を行いHsp104のATPase活性を阻害するグアニジン塩酸塩(GdnHCl)を細胞抽出液に添加し相互作用に対するその濃度依存性を詳細に調べた。その結果、ATP濃度を変化させると,相互作用が消失することが分かり、凝集体形成とATPase活性の間に密接な関係があることが分かった。 このような凝集体会合状態を評価するために分布関数を用いた解析方法の研究を進め、蛍光強度の重み付け条件を組み込むことで、凝集体の大きさの評価が可能であることが分かった。この手法はまず溶液系におけるSup35-タンパク質凝集過程の解析に応用した。 多点FCS装置の改良もさらに進めている。これまで全反射光学系を利用したためにガラス面に限定されていた測定点を3次元まで拡張するために,位相変調光学系を導入して,測定系の構築を行う。この手法により,ガラス面から0.5μmステップで,焦点位置を上昇させ,ガラス面から遠ざけても測定可能であることを実証する。酵母の中の凝集体タンパク質評価を対象とした測定も試みて,蛍光相関分光法全体の実証を行なっている。
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Research Products
(23 results)