2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 興太朗 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80142008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿引 雅昭 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (70396282)
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Keywords | オーキシン / 信号統御 / 分子遺伝学 / 転写調節 / 組織特異性 |
Research Abstract |
シロイヌナズナで花茎の成長方向を調節している遺伝子LAZY1の機能を調べた。同遺伝子の機能欠損変異体は、花茎が明所で水平方向に傾斜して成長する。同遺伝子のプロモーターGUS融合遺伝子を用いて発現部位を調べると、側枝が主茎から分岐する部位では上側(向軸側)の内皮細胞層に偏差的に発現していた。一方、オーキシン誘導性遺伝子MSG2/IAA19の発現は、側枝の下側に偏差的に発現していた。また、LAZY1発現はオーキシン抑制性だった。LAZY1は細胞膜周辺に存在するので、以上の結果は、LAZY1がオーキシンの偏差分布形成を助ける機能を持っていることを示唆しているだろう。 上述のMSG2は根に発現しているにも関わらず、その優性突然変異体msg2は根の屈地性が異常とはならない。MSG2発現のオーキシン応答をmsg2変異体でルシフェラーゼ融合タンパク質を用いて調べると、オーキシン添加後約1時間の間は正常で、その後応答が起こりにくくなることが分かった。そこで、根の成長方向に障害物を置いて、根が障害物を避けるには長期間の屈地性応答が必要になるようにしてやると、野生型に比べてmsg2変異体では屈地性応答が起こりにくくなることが分かった。つまり、MSG2タンパク質の蓄積量には閾値があって、長いオーキシン応答によってMSG2が閾値以上蓄積するようになると、オーキシンによる屈地性応答に関わるオーキシン応答因子の活性を阻害するのだと考えられる。
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Research Products
(6 results)