2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 興太朗 北海道大学, 大学院理学研究院, 特任教授 (80142008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿引 雅昭 北海道大学, 大学院理学研究院, 准教授 (70396282)
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Project Period (FY) |
2007-07-25 – 2013-03-31
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Keywords | オーキシン / 早期応答性遺伝子 / 転写調節 / 屈地性 / 屈光性 / 花茎 / 成長習性 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
シロイヌナズナ突然変異体lazy1は茎が垂直上方ではなく、ほとんど水平方向に成長する。lazy1がそのような成長習性を示す分子機構を明らかにするために、過剰発現によるlazy1の抑圧変異をスクリーニングし、二つの抑圧変異体dsl1とdsl2を得た。dsl1では転写調節因子ASL5が過剰発現していて、その結果、二次細胞壁合成に関わる遺伝子群の発現が上昇していて、二次壁の肥厚が起こっていた。そこで、セルロース合成酵素の特異的阻害剤を野生型の花茎に投与したところ、花茎の屈地性が抑制された。dsl2では、細胞板形成過程で細胞板の拡大に働くと報告されている微小管結合タンパク質のパラログ(DSL2)が過剰に発現していた。また、LAZY1タンパク質のC末端側ドメインをタバコ表皮細胞に強制発現させると、微小管と共局在することも分かった。微小管はオーキシン輸送体の局在や細胞壁合成に関わっていることが知られているので、以上の知見は、LAZY1が微小管とともに機能して茎の成長習性を調節していることを示唆している。一方、花茎の成長習性が異常なもう一つのシロイヌナズナ変異体axr2の屈地性と屈光性を調べたところ、axr2花茎は負の屈光性を示すことを発見した。地上部器官の負の屈光性は今までほとんど観察されたことがなく、特殊な条件でのみ観察される現象であると考えられていた。しかし、オーキシン輸送体の2重変異体pgp1 pgp19の花茎も、茎頂を切除すると負の屈光性を示した。オーキシン誘導性遺伝子の発現を調べると、axr2やpgp1 pgp19花茎では発現が低下していて、茎頂を切除するとそれが更に低下した。以上の知見から、オーキシン信号が十分低い状態では花茎は負の屈地性を示すことが分かり、基本的な状態では植物器官はむしろ負の屈光性を示すのではないかということが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(17 results)