2021 Fiscal Year Annual Research Report
ゆらぎと応答の基本限界から探索する生体分子の設計原理
Project Area | Information physics of living matters |
Project/Area Number |
19H05795
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 康志 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50272430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神原 丈敏 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (40451637)
池崎 圭吾 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10722960)
榎 佐和子 (苙口佐和子) 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (50467635)
佐々 真一 京都大学, 理学研究科, 教授 (30235238)
川口 喬吾 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 理研白眉研究チームリーダー (00787319)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 情報熱力学 / 一分子計測 / 分子モーター / 細胞内環境 / 非平衡多体現象 / クロマチン / 液液相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1) 生体分子モーターの多様性と設計原理、2) 細胞内非平衡環境の計測、3) 非平衡多体現象の基礎理論、の3つの項目について研究を行う。 このうち 1) 生体分子モーターの多様性と設計原理については、トレードオフ関係式の理論を発展させるとともに、これに対応した計測系を実現するための装置開発を進めた。一分子計測で測定可能なパラメータを用いて分子モーターの性能にかかわるトレードオフ関係式に対応した一分子計測実験を行うために、高い空間分解能と時間分解能を両立する構造化照明一分子顕微鏡の構築を進め、ナノメートル精度を達成するなどの予備的な結果が得られた。 2) 細胞内非平衡環境の計測については、並進拡散と回転拡散の同時計測を行うための6次元高速一粒子追跡顕微鏡の開発を進めた。細胞内環境を模した高粘度溶液系での回転並進拡散同時計測の実証実験に成功し、half in vitro の系としてアフリカツメガエル卵抽出液を用いた実験系や、artificial な crowder を加えた溶液系での測定を通じて、計測上の課題を明確化し、これを解決するための技術開発に着手した。また、細胞内で拡散粒子に力学的摂動を与えるための操作系の開発も進め、in vitroの系で多数の微粒子を一様に操作できることを確認した。新たに、細胞内での拡散計測のために、自己組織化蛍光ナノ粒子を細胞内に発現させる実験系を確立し、生細胞内での並進拡散計測を再現よく実施するとともに、細胞状態におうじて細胞質の流動性が可逆的に大きく変動することを発見した。 3) 非平衡多体現象については、クロマチン構造転移が1次転移となり遺伝子スイッチとして機能する条件の理論を踏まえ、クロマチン液液相分離についての理論的考察を発展させ、再構成クロマチンを観察するための多色全反射顕微鏡の開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による影響で一部計画が遅延していたが、その遅れも概ね取り返すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍による影響での遅延の影響が当初懸念されたが、その後の研究の進展により、遅延の影響は概ね取り返すことができている。また、コロナ禍による実験研究が遅延した間に当初計画で想定以上に理論面での成果が得られているおり、その成果を活かす形で研究が進展しつつあり、今後はこの方向で、さらなる研究の発展を期したい。
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Research Products
(24 results)