2008 Fiscal Year Annual Research Report
始原生殖細胞の分化運命決定を制御する遺伝子ネットワーク
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
20062001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松居 靖久 Tohoku University, 加齢医学研究所, 教授 (40241575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 俊明 三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 主任研究員 (70183902)
岡村 大治 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (80393263)
前田 郁麻 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20376560)
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Keywords | 始原生殖細胞 / エピジェネティクス / 遺伝子改変マウス / ES細胞 / siRNA / DNAメチル化 / 転写制御 / Vasa |
Research Abstract |
本研究課題では、始原生殖細胞が胚発生過程で分化運命の決定を受けるメカニズムを解明するために、まずこれまでに同定した始原生殖細胞分化決定遺伝子候補の機能および作用機構を、遺伝子改変マウスの解析により明らかにする。今年度はこれまでに2種類の候補遺伝子についてベクターを完成させ、現在ES細胞に導入している。また前駆細胞の時期から始原生殖細胞で特異性のある発現を示すmill/fragilis遺伝子について、これまでにその発現制御領域のDNAの脱メチル化が始原生殖細胞での特異的な発現に係わっていることを示し、発現制御に係わるエピジェネティック制御分子を同定することを目指している。今年度はこれまでに、この遺伝子の発現が開始する形成期の少数の始原生殖細胞を用いて、DNAメチル化解析を行うための条件決定を行った。さらに、網羅的で効率的に始原生殖細胞分化決定遺伝子の候補を同定するために、ES細胞から始原生殖細胞が分化する培養系にsiRNAライブラリーを導入して、始原生殖細胞の分化運命決定に係わる遺伝子候補を機能的にスクリーニングし、さらにそれらの機能の詳細を解明することを目指す。今年度は5つの候補遺伝子を同定し、そのsiRNAをES細胞に作用させて得られる細胞の始原生殖細胞としての性質を、マーカー遺伝子の発現と、移植による配偶子への分化能により解析を進めている。一方、Vasa遺伝子可視化指標を持つES細胞及びiPS細胞からの生殖細胞や配偶子前駆体への分化条件を検索することによって、半数体細胞への分化進行を促す条件が確認された。また、雄性減数分裂に不可欠機能を持つVasa蛋白に共役するRanBP遺伝子について、その機能不全マウスを作製し、減数分裂分化に異常を示すことが判明した。
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Research Products
(10 results)