2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Research on the Emergence of Hierarchical Structure of Matter by Bridging Particle, Nuclear and Astrophysics in Computational Science |
Project/Area Number |
20105003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
初田 哲男 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 客員教授 (20192700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 孝治 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20201379)
青木 慎也 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 教授 (30192454)
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
中務 孝 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (40333786)
肥山 詠美子 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (10311359)
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Keywords | 格子QCD / 少数多体系厳密計算 / 原子核構造 / 密度汎関数法 |
Research Abstract |
前年度より引き続き継続している格子QCDにおけるハドロン間相互作用の研究においては、ハドロン間ポテンシャルを引き出す上での大きな障害であった基底状態への射影の問題を、時間依存の南部-ベーテ-サルペータ―波動関数とそれが従う線形方程式を導入することで回避する手法を開発し、その有効性を実証した。また、3核子に働く純粋な3体力を格子QCD計算から導出することを可能にした。ハイペロン力については、フレーバーSU(3)極限でのNNおよびYN相互作用を格子上でのチャネル結合法により可能にした。 少数量子系計算においては、Λ粒子を含む4体系の厳密計算により、ΛN相互作用のスピン依存性および荷電対称性の破れに関する制限をつけた。原子核構造の研究においては、核力のテンソル力や3体力がシェル構造の変化やドリップラインの与える影響についての定量的研究を遂行した。 有限化学ポテンシャルがある場合の格子QCD計算においては、フェルミオン行列式に対する新しい簡約公式を導出し、それを用いたフュガシティであらわされたフェルミオン行列式をウィルソンフェルミオンの場合に導いた。さらに、高密度核物質の変分法計算を進展させ、中心力とテンソル力のみを含む場合には、すべての3体クラスターを考慮した計算を実行し、他のアプローチとの定量的整合性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
格子QCDによるハドロン間相互作用,少数系厳密計算、原子核構造計算、時間依存密度汎関数法の応用、有限密度格子QCD、のいずれにおいても、着実な進歩を見せ、論文の形でその成果を発表できた。また、HPCI戦略分野5との密接な連携をはかることで、大規模計算の高速化、効率化をすすめることができた。今年度に雇用した4名の若手研究員は、それぞれの専門分野において本研究課題の遂行に目に見える形で寄与することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の個別のテーマの進展をもとに、本研究課題の大きな目標である、分野融合型の件研究を次年度には本格化させる必要がある。
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Research Products
(13 results)