2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Frontier in Materials Science Opened by Molecular Degrees of Freedom |
Project/Area Number |
20110002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鹿野田 一司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20194946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 利宏 学習院大学, 理学部, 教授 (60163276)
小林 晃人 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80335009)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 強相関電子系 / 磁性 / 低温物性 / 半導体物性 / 分子性固体 |
Outline of Annual Research Achievements |
鹿野田:a-ET2I3の加圧下ディラック電子相において15T磁場下でのNMR測定を行った。磁場中で圧力セルを回転させることによって、磁場の伝導面垂直成分を変化させて測定を行った結果、スペクトルの分裂が面垂直成分の大きさに依存していることを見出した。この振る舞いは磁場中においてLandau準位の量子化とゼーマン分裂がおこるが、さらに高磁場においてvallay自由度の縮退がとけるというモデルで説明できることを提唱した。 高橋:ゼロギャップ系a-ET2I3の類似物質a-BETS2I3の13C-NMRを引き続き行い加圧下のET塩と比較した。ET塩と似た振舞を観測したが、磁化率の温度依存や低温相の振舞などバンド構造の違いに起因すると考えられる違いを観測した。擬三角格子をもつb’-(Et2Me2P)[Pd(dmit)2]2の反強磁性状態の13C-NMRの角度変化から、磁気構造と反強磁性モーメントは非常に小さいことを明らかにした。磁場誘起超伝導体λ-(BETS)2FeCl4のFeをGaで部分的置換した系で単結晶Se-NMRに挑戦し希釈されたFeモーメントが伝導電子を交換磁場によって分極させているとのモデルを支持する結果を得た。 小林:α-ET2I3塩のディラック電子での傾斜コーンとベリー位相の特徴を報告した。強磁場下でのバンド間効果、ホール効果を有効模型で説明した。7個の飛び移りエネルギーから構成されるタイトバインディグ模型でディラック点を直接求める方程式を導出、加圧下でディラック点が運動する振舞い、安定に存在する原因である分子間の反転対称性を明らかにした。2つのバ ンド間の偶然縮退によるディラック点は4つの時間反転対称点の波動関数の偶奇性のみで決まることを示した。波動関数がゼロとなる節がディラック点を中心として存在すること、静水圧下ではアニオンポテンシャルの効果が重要であることを見出した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(35 results)