2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Chemical Environment of the Solar System during its Formation
Project Area | Next Generation Astrochemistry: Reconstruction of the Science Based on Fundamental Molecular Processes |
Project/Area Number |
20H05846
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橘 省吾 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50361564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧川 晶 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (10750367)
奈良岡 浩 九州大学, 理学研究院, 教授 (20198386)
薮田 ひかる 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (30530844)
岡崎 隆司 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40372750)
松本 恵 東北大学, 理学研究科, 助教 (50725455)
圦本 尚義 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80191485)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 太陽系 / 有機物 / 化学進化 / 分子雲 / 原始惑星系円盤 / 小惑星 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽系も他の惑星系と同様,分子雲の収縮による原始星の形成から始まり,原始惑星系円盤の中で多様な惑星が誕生した.本研究では,太陽系をつくった分子雲や惑星系形成領域の化学環境が,観測される分子雲や原始惑星系の化学的多様性とどのように関連するのかを明らかにすることを目的とする.リュウグウサンプル分析の成果について,国際誌に多数の論文発表をおこなった.これらの成果には,リュウグウ有機物中での核酸塩基ウラシルやビタミンB3であるニコチン酸の発見,分子雲での低温化学反応の結果としてつくられたと考えられる炭素同位体組成の特徴をもつ多環式芳香族炭化水素の発見,可溶性有機分子群にマグネシウム含有分子が見つからなかったことから水質変成が比較的低温であったこと,固体有機物内の原子結合状態から熱変成の程度が低かったこと,一方でリュウグウ試料中で鉱物と有機物が母天体での水質変成作用中に相互作用して,共進化したこと,現在のリュウグウ表面にも外側太陽系から窒素に富んだ微粒子が供給されていること,などが含まれる.2023年9月には NASA OSIRIS-REx 探査機が地球に届けた B型小惑星ベヌーからのサンプルの分析も開始し,H2O 量や炭素量,可溶性有機分子(生命前駆分子を含む)の分析を開始した.小惑星ベヌーサンプル分析成果に関して,2024年2月に国際シンポジウム Solar System symposium in Sapporo 2024 を開催し,世界に先駆けて,議論した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リュウグウサンプルの分析の成果発表を順調に続けている.
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Strategy for Future Research Activity |
リュウグウサンプル分析結果の論文出版を進め,ベヌーサンプル分析を継続する.
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Research Products
(63 results)