2021 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of symbiotic interfaces and cellular responses
Project Area | Biophysical Chemistry for Material Symbiosis |
Project/Area Number |
20H05872
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 北海道大学, 医学研究院, 教授 (30333503)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | 物質共生 / 弱い相互作用 / 相関イメージング / 細胞膜 / 細胞応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究で実施する、細胞表面で生じるマテリアルと細胞表面タンパク質の「弱い相互作用」が生じている現場である細胞膜の動態観察を実現するため、高速ライブセル原子間力顕微鏡(atomic force microscopy,AFM;以下、高速ライブセルAFM)および蛍光顕微鏡による相関イメージング(correlative light and acomic force microscopy, CLAM)を実装した。また、領域内の測定拠点としての活動が円滑に行えるように、体制整備および予備実験が完了した。これによりマテリアルー生体の「弱い相互作用」の現場の「まるごと」観察を実現した。 【AFM】ウイルスや種々の外来因子を用いて、柔らかい細胞膜上の6.0 μm × 4.5 μm ×1.0 μmの範囲において、xyzすべての方向に対して10 nmの等方性空間分解能、また0.5フレーム/秒(2秒に1枚の撮像)以上の時間分解能を両立した観察系を複数セットアップした。これらの装置の性能について確認し、予定通りのスペックが出 ていることを確認している。 【蛍光顕微鏡】分子同定や細胞応答の可視化に欠かせない蛍光イメージングについては、その分解能を向上するために超解像技術を導入した。また、薄層斜光証明法(highly inclined and laminated optical sheet microscopy,HILO)により細胞膜頂端膜の局所励起と一分子イメージングが可能な照明・観察光学系を、AFMが実装済みの顕微鏡にインストールした。 さらに、「弱い相互作用」をCLAM上でどのように可視化するかについて予備的検討を、ウイルス粒子と細胞膜との関係をモデルに行った。その結果、相互作用がない場合には粒子は細胞膜上にとどまることができないこと、相互作用の強弱により側方拡散係数(lateral diffusion coefficient)が異なることを新たに見出した。これによりマテリアル一つの解像度で「弱い相互作用」を定量解析する準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに測定拠点の観察機器のセットアップおよび性能確認が完了し、実際の観察を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画調書の記載事項に沿って、一昨年度から昨年度にかけて整備したイメージング機器を用いた弱い相互作用の定量解析を継続的に実施し、マテリアルー生体の「弱い相互作用」の現場の「まるごと」観察を加速する。
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