2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Analysis and synthesis of deep SHITSUKAN information in the real world |
Project/Area Number |
20H05953
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
佐藤 いまり 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (50413927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 諭一郎 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10582819)
日浦 慎作 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (40314405)
佐藤 洋一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70302627)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Keywords | コンピュータビジョン / コンピュータグラフィックス / 反射解析 / 美術品解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,質感を科学的に取り扱うための学術的知見を蓄積し,我々が視覚を通して感じる質感と物体が有する光学的特性,その光学特性を生む素材・制作工程との関係を明らかにすることで,本物の工芸品の「良さ」を科学的に論じる手段と,工業製品のさらなる高付加価値化に寄与する計測・評価技術の創出を目指す.デジタルな再現技術に人手を介した質感表現を加えた作品を準備し,その物理特性と質感の差異を能動的に解析することで,革新的な質感評価・質感合成技術の創出を目的とする。美術館の協力のもと,物体表面の反射・散乱解析を美術作品に適用し、解析アルゴリズムの創出、効果検証を進めることができた。特に、彩画における質感表現の分析を進め,光学特徴解析にもとづき画家が用いた顔料推定と空間的な分布、描き方の解明と再現に関して大きな成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題では,我々が視覚を通して感じる質感と物体が有する光学的特性,その光学特性を生む素材・制作工程との関係を明らかにすることで,質感表現を科学的に論じる手段を検討し,工芸品や美術品を対象として、質感を構成する幾何・光学特性の計測・評価技術の創出を目指している.美術館の協力のもと,肌質感で著名な藤田嗣治の油彩作品における質感表現の分析を進め、芸術の専門家の知見と過去の解析結果を踏まえて、肌質感を生む構成要素となる色合いや顔料の空間分布を推定手法の開発を進め、模写を用いて解析アルゴリズムの効果検証を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
東京芸大および美術館の協力のもと,肌質感で著名な藤田嗣治の油彩作品における質感表現の分析を進め、芸術の専門家の知見と過去の解析結果を踏まえて、肌質感を生む構成要素となる色合いや顔料の空間分布を推定手法の開発を進め、模写を用いて解析アルゴリズムの効果検証を進めることができた。藤田と師弟関係にあるとされる画家の作品における肌質感も解析し、肌質感を生む構成要素となる色合いや顔料の空間分布を推定手法の効果検証を進め、作家間の類似点、相違点を解析する。さらに、異なる時代の画家の肌質感表現との違いについても解明していく。
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Research Products
(1 results)