2012 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of carbon/nitrogen balance signal transduction system via plant hormones
Project Area | Comprehensive studies of plant responses to high CO2 world by an innovative consortium of ecologists and molecular biologists |
Project/Area Number |
21114005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
榊原 均 独立行政法人理化学研究所, 生産機能研究グループ, グループディレクター (20242852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木羽 隆敏 独立行政法人理化学研究所, 生産機能研究グループ, 研究員 (20532097)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光合成 / 二酸化炭素 / 植物ホルモン / 窒素栄養 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナのサイトカイニン生合成系遺伝子の変異体を用いて高CO2応答の成長促進効果の抑制の有無を調べたところ、CYP735Aの代謝上流で機能するIPTのipt3ipt5ipt7三重変異体でcyp735a1a2二重変異体と同様の抑制が見られた。一方LOGの変異体についてはもともと表現型の違いが軽微であったことから、抑制効果の有無の判別ができなかった。また、CYP735AとIPTで、高CO2処理を施して数時間内に発現が上昇するものを探索したところ、CYP735A2とIPT3の発現が有意に上昇した。特にCYP735Aは根でその上昇が見られた。その効果は培地中への糖の添加でも再現できたこと、切り取り根に高CO2処理をした場合には再現できなかったことから、CO2濃度の上昇により、光合成器官で炭素固定量が上昇し、地上部から根への糖の転流量が増加した結果、CYP735Aの発現が上昇したものと考えられた。 これまでの結果は、高CO2に対し、IPT3, CYP735Aがともに応答し、新規のトランスゼアチン合成量を増加させることが成長促進の一因であることを示唆している。 イネについてはOsIPT8の高CO2に対する応答について、有意差のあるものとして再現できなかったため、OsIPTのC/N応答の制御について解析を進めた。イネではOsIPT4, OsIPT5がグルタミンによって正に制御されているが、シロイヌナズナのIPT3に見られる硝酸イオン特異的な応答機構はほとんど保存されていないことが明らかになった。一方、シロイヌナズナではグルタミンに対する応答機構が保存されていた。以上の結果は、窒素栄養に応答したサイトカイニン生合成調節は、外環境(硝酸イオン)と内環境(グルタミン濃度)の複数の因子によって制御されており、イネでは前者の制御機構がほとんど失われていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高CO2に対して遺伝子レベルで応答するサイトカイニン生合成遺伝子(IPT3, CYP735A2)を特定できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
cyp735a1a2以外のサイトカイニン関連変異体(ipt357など)での高CO2応答の違いをさらに詳細に比較検討する。形態的な観察のみではなく、代謝レベルでの応答に違いが見られるか等、総合的な解析を行なう。さらに接ぎ木実験などとも組み合せて、高CO2へのトランスゼアチンを介した形態的応答の個体レベルでの統御システムについて知見を得る。
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Research Products
(7 results)