2009 Fiscal Year Annual Research Report
準安定な分子認識解明のためのテザー係留法の開発と細胞内仕分けシグナル識別への応用
Project Area | Integrative understanding of biological processes mediated by transient macromolecular complexes; New technology for visualizing physiologically metastable states. |
Project/Area Number |
21121003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神田 大輔 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (80186618)
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Keywords | タンパク質 / 分子認識 / 細胞内輸送 / プレ配列 / ミトコンドリア / Tom20 / 複合体安定化技術 / ジスルフィド結合 |
Research Abstract |
ミトコンドリアのマトリクスへ輸送されるタンパク質はN末端に余分な配列(プレ配列)が付加された前駆体として合成される.我々の研究で,プレ配列レセプターであるTom20タンパク質がプレ配列を認識する時には,結合状態において従来想定されているより大きな運動性を保持していることが示唆されている.このような大きな運動性を残した相互作用をしている複合体から原子レベルの構造情報や動的情報を得るためには,結合状態を適切な方法で安定化することが必要である.分子間のジスルフィド結合導入によるMolecular Tetheringと,プレ配列の分子内にジスルフィド結合を導入するMolecular Stiffeningの手法を適用し,Tom20によるプレ配列認識は「動的平衡認識メカニズム」であることを提唱している.今年度は,さらに最適な複合体安定化を行うために,結合状態における運動において,不動点となっている位置で,プレ配列とTom20タンパク質の間に分子間ジスルフィド結合を導入する第2世代のデザインを行った.分子間ジスルフィド結合を形成させた複合体を調製し,2つの異なる条件で結晶を得た.結晶構造を決定したところ,両者ともにプレ配列は期待した位置に結合しているものの,分子間リンカーの長さが少し短く,結合状態における運動性を妨げている可能性あることが判明した.溶液中の運動性を観測するために,Tom20を安定同位体標識し,複合体の^<15>N NMR緩和解析を行ったが,やはり運動性の束縛傾向が見られた.そこで,今後は分子間リンカーの長さをさらに伸ばした複合体デザインを行う.
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Research Products
(4 results)