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2021 Fiscal Year Annual Research Report

Compressive stress against brain tumors: its effect on tumor cell growth and the underlying molecular mechanism

Planned Research

Project AreaPressio neuro-brain science: principle for brain function development through compressive stresses under physiological or pathological condition
Project/Area Number 21H05127
Research InstitutionKanazawa Institute of Technology

Principal Investigator

平田 宏聡  金沢工業大学, バイオ・化学部, 教授 (90414028)

Project Period (FY) 2021-08-23 – 2024-03-31
Keywordsメカノバイオロジー / 腫瘍細胞塊 / 三次元培養 / スフェロイド / 細胞増殖
Outline of Annual Research Achievements

頭蓋内という閉鎖空間における脳腫瘍の形成・発達は、頭蓋内圧の上昇と隣接組織の圧迫を引き起こし、反作用として腫瘍組織そのものに圧縮力を生じさせる。「細胞間接着構造にかかる引張力が細胞増殖を抑制する」という研究代表者のこれまでの発見から、脳腫瘍への圧縮力負荷は細胞間側方圧を上昇させることで腫瘍細胞の増殖を促進すると想像される。そこで本研究では、脳腫瘍細胞塊に加わる圧縮力の測定、操作法を開発し、圧縮力が腫瘍細胞の増殖と腫瘍細胞塊の成長におよぼす効果およびその分子機序を明らかにすることを目的としている。
今年度はまず、三次元細胞外マトリックス中での腫瘍細胞塊の形成・培養系の確立と、その顕微鏡下での長時間(>1週間)ライブイメージングに取り組んだ。腫瘍細胞として当初はグリオブラストーマ細胞を用いる予定であったが、増殖速度が遅く三次元細胞外マトリックス中での細胞塊形成も進まなかった。そこで、研究代表者がこれまで二次元培養系での実験で成果をあげてきた表皮癌細胞(A431)を用いたところ、コラーゲンゲル中で細胞塊が形成され成長することが確認された。さらに、位相差顕微鏡を培養インキュベーター内に設置することで、細胞塊の形成・成長過程を10日間に渡り30分ごとのタイムラプスで観察できるようになった。
次に、細胞塊成長過程における細胞塊と周囲の三次元細胞外マトリックスとの力学的相互作用を評価するため、コラーゲンゲルに粒径3ミクロンのビーズを混ぜ込み、このビーズをマーカーとしてコラーゲンゲルの変形を可視化モニターした。すると予想に反して、細胞塊は成長とともに、周囲の細胞外マトリックスを押すのではなくむしろ引っ張ることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初使用予定だったグリオブラストーマ細胞が三次元コラーゲンゲル中で腫瘍細胞塊を形成せず、実験条件や細胞種の検討・変更に時間を要した。また、腫瘍細胞塊と三次元細胞外マトリックスとの間の力学的相互作用について、予想に反する結果が得られたため、結果の再現性と特性の評価を集中的に進める必要が生じ、当初予定していた細胞内分子の解析まで行うことができなかった。さらに、研究室の新しい研究機関への移設作業のため、研究を実施できない期間が生じてしまった。

Strategy for Future Research Activity

成長過程で体積増大している腫瘍細胞塊が周囲の細胞外マトリックスに引張変形を与えるメカニズムを明らかにする。そのために、細胞内の主要な引張力発生装置であるアクチン・ミオシン系の関与を解析する。更に、腫瘍細胞塊による細胞外マトリックスの引張変形が細胞機能調節に果たす役割について明らかにするため、アクチン・ミオシン系の阻害/活性化や異なる硬度のコラーゲンゲルが細胞塊の成長におよぼす効果を解析する。
また、細胞塊が成長する過程における三次元細胞外マトリックスの変形の時空間変化を定量する手法の開発を進める。そのため新たにインキュベーター内設置型の長焦点深度の蛍光顕微鏡を導入して三次元細胞外マトリックス中に分散させた蛍光ビーズ変位の長時間イメージングを行い、粒子画像流速計測法(PIV)を適用して三次元細胞外マトリックス中の変形場の導出を試みる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Anti-Malignant Effect of Tensile Loading to Adherens Junctions in Cutaneous Squamous Cell Carcinoma Cells2021

    • Author(s)
      Dobrokhotov Oleg、Sunagawa Masaki、Torii Takeru、Mii Shinji、Kawauchi Keiko、Enomoto Atsushi、Sokabe Masahiro、Hirata Hiroaki
    • Journal Title

      Frontiers in Cell and Developmental Biology

      Volume: 9 Pages: 728383

    • DOI

      10.3389/fcell.2021.728383

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 表皮細胞単層中での細胞周期進行と細胞運動の協調制御:細胞間接着とRac1の役割2021

    • Author(s)
      平田宏聡、Oleg Dobrokhotov、曽我部正博
    • Organizer
      第44回日本分子生物学会年会
    • Invited
  • [Presentation] 細胞内の力の伝達経路としてストレスファイバーに必要な機械的性質2021

    • Author(s)
      勝田紘基、長山和亮、清島大資、町山裕亮、曽我部正博、宮田卓樹、平田宏聡
    • Organizer
      第44回日本分子生物学会年会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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