2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
21H05211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 清誠 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10302168)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | デジタル有機合成 / 多成分反応 / フロー反応 / 逆合成解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
高反応性のリチウムイノラートを原料とする(2 + 2) 環化付加による多置換シクロブテン合成の開発を行っている。本反応の特徴は、原料(イノラートおよびa,b-不飽和カルボニル化合物)、中間体(四員環エノラート)、生成物(シクロブテン)すべてが比較的反応性が高く、それらの寿命を制御した反応設計をする必要がある。また、それら化学種が反応系中に存在する他の化学種と副反応を起こさないような反応設計の必要がある。2022年度までの検討では、出火性のあるtBuLiを用いるバッチ調製したリチウムイノラートから3成分でのフロー合成を行っていた。2023年度は、フロー合成で取扱い可能な塩基への置換とともに、4成分すべてをフロー反応にするための検討を行った。 リチウム―ハロゲン交換にtBuLiが汎用される理由は、交換反応で生じるtBuXが未反応の反応tBuLiとさらに反応し、カルバニオンとinertのイソブテンまで変化するためである。まず我々は、Li-X交換に他のアルキルリチウムが使用できるか調査するため、共生するR-Xと中間体のイノラートおよびシクロブタノンエノラートとの反応性を調べた。幸運なことに、第一級臭化アルキルですら上記カルバニオンとの反応は十分に遅いことが明らかになった。次に、3つもしくは4つのシリンジポンプを構成単位とする4成分フロー合成装置を設計し、フロー反応によるシクロブテン合成の条件最適化を行った。その結果、再現よく70%程度の収率で目的物を与えることに成功した。現在では、共同研究で自動合成に向けた展開を画策している。そのためのin line分析の初期検討を報告する。 また、データ駆動逆合成解析プログラムRetRekの改良についても若干の進捗があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定を達成するとともに、今後の研究の種を獲得することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
シクロブテンのフロー合成について論文化を目指すとともに、本反応の有用性の実証として天然物の合成研究を行う。また、多段階フロー合成と機械学習の融合をさらに推進するために、異なる反応の検討を実施する。
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Research Products
(6 results)