2022 Fiscal Year Annual Research Report
Structural Analysis of Non Domain Biopolymer
Project Area | Biology of Non-domain Biopolymer |
Project/Area Number |
21H05281
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 拓宏 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (70401164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西増 弘志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00467044)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Keywords | 立体構造 / クライオ電子顕微鏡 / トモグラフィー / 単粒子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
伊藤は核内非膜オルガネラであるパラスペックルのマーカーとしてPSP1を、細胞質内非膜オルガネラであるヌアージュのマーカーとしてVasaを選択し、それぞれのタンパク質をGFPラベル化した細胞を準備し、クライオFIB-SEMによる薄層化に成功した。しかしながら、クライオTEM測定・解析の際にターゲットがトモグラムに含まれているのか、どの位置に存在しているのかを明確にするまでには至らなかった。それと同時にリボソームタンパク質メチル化酵素METTL18によるメチル化が施されていないヒトリボソームの立体構造解析を行った。 III-E型CRISPR-Cas免疫機構に関与するCas7-11タンパク質はガイドRNAと複合体を形成し、標的となる1本鎖RNAを切断するRNA依存性RNA切断酵素(ヌクレアーゼ)として機能し、Csx29タンパク質と複合体を形成することが報告されていたが、Csx29の機能は不明だった。西増は、Cas7-11-ガイドRNA-Csx29複合体は標的RNAが結合すると活性化し、Csx30タンパク質を切断するRNA依存性タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)であることを発見した。さらに、クライオ電子顕微鏡を用いて、Cas7-11-ガイドRNA-Csx29複合体およびCas7-11-ガイドRNA-Csx29-標的RNA複合体の立体構造を決定し、標的RNAが結合するとCsx29の構造が変化し活性化することを明らかにした。また、機能解析の結果、Csx30はRpoEと結合し転写を制御することにより、細胞の増殖を阻害することが示唆された。したがって、III-E型CRISPR-Cas免疫機構において、Cas7-11-Csx29複合体はウイルス由来RNAを切断するとともに、Csx30の切断を介して細胞増殖を停止させることにより、細胞集団をウイルス感染から守るという分子機構が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
伊藤の計画に少し遅れはあるものの、西増は計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
伊藤はクライオ電子トモグラフィー観測を行い、非膜オルガネラのトモグラム再構成とその解析を行う。具体的には、非膜オルガネラのマーカー蛋白質にGFPが付加されている細胞株を培養し、昨年度導入された蛍光顕微鏡を搭載したクライオFIB-SEM装置を用いて、GFPシグナルを指標に目標を含んだ凍結薄膜を作成する。作成した凍結薄膜をクライオTEM装置によりクライオ電子トモグラフィー測定を行う。3次元構造トモグラムを再構成し、それに応じてさらなる解析のための手法を検討し、非膜オルガネラ内の立体構造を獲得することを目指す。 西増は昨年度までの研究から、III-E型CRISPR-Cas免疫機構に関与するCas7-11-ガイドRNA-Csx29複合体は、(1)ガイドRNAと相補的な標的RNAを切断するヌクレアーゼ活性、および、(2)標的RNAと結合すると活性化しCsx30タンパク質を切断するプロテアーゼ活性、という2つの酵素活性をもつRNA依存性ヌクレアーゼ-プロテアーゼであることが明らかになった。しかし、 Cas7-11-ガイドRNA-Csx29複合体がCsx30を認識するメカニズムは不明である。また、 機能解析の結果、Cas7-11-ガイドRNA-Csx29複合体はウイルス由来RNAを切断するとともに、Csx30の切断を介して細胞増殖を停止させることにより、細胞集団をウイルス感染から守ること、および、 Csx30、Csx31、RpoEは複合体を形成することが示唆されているが、そのメカニズムは不明である。そこで、本年度は、 Cas7-11-ガイドRNA-Csx29-標的RNA-Csx30複合体および、 Csx30-Csx31-RpoE複合体のクライオ電子顕微鏡構造を決定し、構造情報を利用した変異体解析を行い、 III-E型CRISPR-Cas免疫機構の分子メカニズムの解明を目指す。
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Research Products
(10 results)