Planned Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
平成22年度は、融合マテリアル形成における制御分子設計デザインのための基盤的知見を確立するための計算科学研究を実施した。具体的に実施した研究は次の通りである。1. 無機結晶表面への有機分子吸着構造の分子動力学シミュレーション解析バイオミネラリゼーションにおいて代表的な無機結晶である炭酸カルシウムカルサイト結晶表面へのアスパラギン酸の吸着構造を、分子動力学シミュレーション計算によって調べた。本研究の結果として、カルサイト(104)面上の水は秩序構造化していること、アスパラギン酸は平坦(104)表面には安定吸着しにくいがステップ表面には安定吸着すること、表面近傍におけるアスパラギン酸のカルボキシル基はカルサイト表面カルシウムイオンに接近すること、表面上に水が存在するか否かで吸着構造が全く異なることなどがわかった。また、制御分子による結晶形態制御機構の知見を得ることを目的として、不凍タンパク質による氷結晶形態の抑制機構を調べる分子動力学シミュレーション研究を実施した。本研究の結果として、タンパク質とその周辺に成長する氷結晶との三次元的な相互作用が成長形態の制御に重要な役割を果たすことがわかってきた。以上、融合マテリアル制御分子の設計デザインを行う上で重要な理論的基盤が構築されつつある。また、本領域内における機能性高分子開発の共同研究の準備も開始している。2. 無機結晶の分子レベル成長形態解析を実施するための新しい計算科学シミュレーション方法の開発融合マテリアル構築における結晶の形態形成制御機構を分子レベルで解析するための計算科学手法として、結晶の自発的形態形成を解析できる分子動力学シミュレーション方法の開発に成功した。
All 2011 2010
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (5 results)
Physics and Chemistry of Ice 2010
Pages: 429-436
Pages: 293-298