2010 Fiscal Year Annual Research Report
行動動物脳深部神経回路の可視化技術の開発と神経回路の生理・病理下での安定性の研究
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
22110006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
林 康紀 独立行政法人理化学研究所, シナプス機能研究チーム, チームリーダー (90466037)
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Keywords | 海馬 / 樹状突起スパイン / シナプス可塑性 / 二光子顕微鏡 / 記憶・学習 |
Research Abstract |
脳深部シナプス回路の活動を可視化する為、カルシウムセンサー蛋白質であるGCaMPをThy-1プロモーター下流で発現するトランスジェニックマウスを作成した。この動物では、海馬CA1領域錐体細胞にてGCaMPが発現していた。スライスを作成し、全細胞記録をしつつ、脱分極させて活動電位を発生させた所、およそ、5-10個以上の活動電位で、有為な蛍光量の変化が認められた。このトランスジェニックマウスの海馬から二光子顕微鏡記録を行なう為、背側海馬上部の大脳皮質(頭頂葉の一部)に約2mmの穴をあけ、底にカバーガラスを貼った、金属製の筒を挿入した。それを頭蓋骨に埋め込んだ、金属板に固定した。金属板をさらに、金属柱にネジ止めする事により、二光子顕微鏡対物レンズ下に頭部を固定した。一方、マウスの体は、空気圧で浮かせた発泡スチロール球上におき、その上を自由に歩くことが出来る様にした。そして、周囲のスクリーンに仮想現実を投影した。現在のところ、麻酔下の動物で自発活動電位をカルシウム反応として記録出来る事が確認出来た。確認出来る領域は、500μm×500μmの領域であり、約500個のニューロンが含まれていた。これを解析した所、同時発火するニューロン群が認められた。今後、画像解析により自動的に発火しているニューロンを検出するプログラムを開発していく他、無麻酔下、空間学習を行ないつつある動物で、海馬ニューロンの活動を解析していく。
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Research Products
(7 results)