2012 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapy targeting microenvironment in respiratory malignancy
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
22112010
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
矢野 聖二 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (30294672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健之 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (30262075)
西岡 安彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70274199)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腫瘍 / 肺がん / 分子標的薬耐性 / 線維芽細胞 / 血管新生 / EGFR-TKI / ALK-TKI / HGF |
Outline of Annual Research Achievements |
EGFR活性型遺伝子変異やEML4-ALK融合遺伝子を有する肺がんは、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)やALK-TKIがそれぞれ著効する。しかし、耐性の獲得により数年以内にほぼ全例が再発するため、獲得耐性は臨床的に克服すべき次なる課題になっている。 私たちは微小環境を構成する線維芽細胞から産生されうる肝細胞増殖因子(HGF)がEGFR変異肺がん細胞においてゲフィチニブの耐性を誘導することを既に報告している。今年度は、HGFがMetをリン酸化し下流のPI3K/Akt経路を活性化することでEGFR-TKI耐性のみならず血管新生も誘導し、EGFR変異肺がんの進展を促進していることを明らかにした。 また、EML4-ALK肺がんにおいては、EGFRリガンドであるEGF, TGF-alpha, HB-EGFなどがEGFRをリン酸化し、下流のPI3K/Akt経路を活性化することでバイパス生存シグナルを惹起し、ALK阻害薬であるクリゾチニブに対して耐性を誘導する。近年ALK遺伝子増幅やゲートキーパー変異を有するがん細胞にも有効な選択的ALK阻害薬の開発が進められているが、選択的ALK阻害薬に対してはEGFRリガンドのみならずHGFも耐性を誘導することを明らかにした。EGFRリガンドはおもに血管内皮細胞から、HGFは線維芽細胞から産生され、EML4-ALK肺がん細胞のALK阻害薬耐性が誘導された。今後、いずれのクラスのALK阻害薬がより高い臨床効果を示すのか、慎重に臨床試験をおこなう必要がある。 以上のように、がん細胞は微小環境を構成する線維芽細胞や血管内皮細胞と応答することで分子標的薬に耐性化することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EGFR-TKI耐性に関しては、線維芽細胞が産生するHGFが分子標的薬耐性を誘導するのみならず血管新生も誘導して、腫瘍進展を促進することを明らかにできた。ALK-TKI耐性に関しては、血管内皮細胞や線維芽細胞が産生するリガンドが耐性を誘導するという新しいメカニズムを明らかにできた。 おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、微小環境に起因した新しい耐性因子を同定し、治療法開発に結び付ける研究を推進してゆきたい。
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Research Products
(20 results)