2014 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器悪性腫瘍の微小環境の特性を標的とした新規制御法の開発
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
22112010
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
矢野 聖二 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (30294672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣斐 寛倫 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (00645145)
鈴木 健之 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (30262075)
西岡 安彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70274199)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ALK阻害薬 / 分子標的薬耐性 / HGF / EGFRリガンド / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腫瘍微小環境としての線維芽細胞や血管内皮細胞に着目し、その特性を分子生物学的に理解し、画期的な治療効果が得られる新規治療法の開発を目指している。 今年度は、腫瘍微小環境の線維芽細胞や血管内皮細胞が産生する肝細胞増殖因子(HGF)や上皮成長因子受容体(EGFR)のリガンドに着目し、EML4-ALK肺がん細胞株において選択的ALK阻害薬(アレクチニブ)の耐性をHGFやEGFRリガンド(EGF, TGF-αなど)が惹起することを明らかにした。HGFによるアレクチニブ耐性は、MET阻害活性も併せ持つALK阻害薬(クリゾチニブ)によって解除できること、EGFRリガンドによる耐性はEGFR阻害薬とALK阻害薬の併用で解除できることを見出した。したがって、微小環境因子によりALK阻害薬耐性が惹起された場合には、耐性因子を同定することが重要で、既存のALK阻害薬あるいは既存のEGFR阻害薬併用などで克服できる可能性を示した。 また、中皮腫細胞が糖脂質であるガングリオシドGM2を高発現していることを見出した。ADCC活性を高めるポテリジェンと技術を用いて作成された抗GM2抗体が、ヒト末梢血単核球(MNC)の存在下で、GM2を高発現する中皮腫細胞をADCCにより死滅させた。SCIDマウスの胸腔に中皮腫細胞とMNCを移植する同所移植モデルにおいて、抗GM2抗体とMNCによる治療が中皮腫の胸腔内進展を有意に抑制した。さらに、中皮腫患者検体(26検体)を用いた検討で、約60%の中皮腫でGM2を発現しており、そのうち約40%がGM2を高発現していることを明らかにした。以上より、高いADCC活性を有する抗GM2抗体がGM2を高発現した中皮腫に対し有効である可能性を示した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)