2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Machineries of bioactive lipids in homeostasis and diseases |
Project/Area Number |
22116002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横溝 岳彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60302840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 和子 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (00553273)
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Keywords | ロイコトリエンB4 / 生理活性脂質 / 遺伝子欠損マウス / 単クローン抗体 / 炎症性腸疾患 / バリア機能 |
Research Abstract |
1)抗BLT1抗体を用いた新規樹状細胞サブセットの同定:昨年度に樹立した抗マウスBLT1単クローン抗体を用いて、マウス樹状細胞を染色したところ、BLT1陽性と陰性の樹状細胞サブセットが存在することがわかった。これらの樹状細胞をセルソータで分離し、様々な刺激を行ったところ、二つのサブセットではサイトカイン産生能が大きく異なっており、BLT1陽性樹状細胞はTh1,2型T細胞への分化能が高く、BLT1陰性樹状細胞はTh17型T細胞への分化能が高いことを見いだした。 2)BLT2による上皮細胞バリア機能維持の分子メカニズム:昨年度の腸管上皮の解析に加え、本年度は皮膚ケラチノサイトの解析を行った。BLT2欠損マウスでは、皮膚パンチ後の創傷治癒に遅延が観察された。初代培養マウスケラチノサイト、遺伝子導入ヒトケラチノサイトの解析から、12-HHTがBLT2受容体を活性化することでケラチノサイトの遊走を引き起こし、創傷治癒を促進していることが明らかとなった。現在、BLT2刺激以降、細胞遊走に至るまでの細胞内シグナル伝達の解析を行っているところである。(論文投稿準備中) 3)12-HHT産生系路の同定:昨年度に確立したエイコサノイド一斉定量系を用いてBLT2リガンドである12-HHTの産生系路を検討した。12-HHT産生はシクロオキシゲナーゼ依存的であり、血液凝固に伴って産生されることがわかった。従来PGH2からの12-HHTの産生には、トロンボキサン合成酵素が必要と考えられていたが、同酵素を介さない非酵素的な産生系路が存在することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BLT1,BLT2を用いた解析は順調に推移している。一方、孤児受容体を用いた新規脂溶性メディエーターの発見に関しては、鋭意、実験を行っているが、明確な反応が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
孤児受容体を用いた新規脂溶性メディエーターの発見に関しては、アッセイ法の高感度化、より広範な生体材料を対象とすることで、同定に努めていきたい。
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Research Products
(31 results)