2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送の制御に関わる分子複合体群のX線結晶構造解析
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
22121003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深井 周也 東京大学, 放射光連携研究機構, 准教授 (10361792)
|
Keywords | 分子認識 / シグナル伝達 / タンパク質複合体 / X線結晶構造解析 / 構造生物学 / 小胞輸送 / 低分子量GTPase |
Research Abstract |
小胞輸送によるタンパク質や脂質の適切かつ正確な配置は,細胞の運動や形態変化,極性の形成などの「細胞の形と機能」に関わる多くのプロセスにおいて決定的に重要な役割を果たす.本研究では,「細胞の形と機能」の獲得において重要な役割を担う小胞輸送の制御に関わる分子複合体群のX線結晶構造解析を行い,複雑かつ精密に制御された複合体構築の原理と機能メカニズムの解明を通して小胞輸送制御のメカニズムを原子の精度で明らかにすることを目的とする.本年度は,膜融合の特異性と高効率性を保証するExocyst複合体のSec6サブユニットのホモログであるM-Secの結晶構造を3.4Å分解能で決定した.また,研究項目A03の稲垣教授との共同研究により,M-Secがイノシトールリン脂質PI(3,4,5)P_3に強く結合することを見出した.また,低分子量GTPase Rabを,対応する細胞小器官の膜に固定する役割を担う膜タンパク質GDFの予備的な結晶化に成功し,放射光施設SPring8のBL41XUにおいて7Å分解能の回折データセットを収集した. 今後,結晶化条件や発現コンストラクトの変更によって分解能の向上が期待される結果である.さらに,RabとGDFとの複合体の調製・結晶化に向けて,GDFとRabとの複合体形成に必要な脂質修飾をRabに導入するための発現系を構築した.SNAREタンパク質を小胞体膜に挿入するGET複合体では,膜埋込み活性を直接担うGET3サブユニットと基質タンパク質との複合体の予備的な結晶を得た.
|