2011 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングによる血管-神経ワイヤリングの誘導・維持機構の解明
Project Area | Vasculo-neural wiring and their interdependent crosstalk |
Project/Area Number |
22122003
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
望月 直樹 独立行政法人国立循環器病研究センター, 細胞生物学部, 部長 (30311426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 浩一 独立行政法人国立循環器病研究センター, 細胞生物学部, 研究員 (20360349)
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Keywords | 血管 / 神経 / イメージング / ワイヤリング |
Research Abstract |
血管と神経のワイヤリングのメカニズムを探るために、まずは両者が伴走する部位を生体(ゼブラフィッシュ)を用いて明らかにすることから開始した。タイムラプスイメージングを駆使して両者のうちどちらが先行して形成されるのかをつきとめた。 (1)血管内皮細胞、神経細胞でそれぞれ特異的に活性化されるプロモーター、Flk1, HuCプロモーター依存性にmCherry, EGFPを発現するトランスジェニック個体を作製した。 ・伴走部位としてlateral line(神経が先行)にそってparacordal vesselが形成 ・pectral finの運動神経と血管 ・背側大動脈が先行してその直下に神経 ・posterior caudinal veinにそって、交感神経のネットワーク ・節間血管にそってリンパ管 がそれぞれ形成されていくことを3次元のイメージングによってつきとめた。 (2)血管あるいは神経特異的に優勢劣性変異体の発現が可能なように、Gal4/VP16システムを用いて目的の分子を効率よく発現可能な個体を作製した。 (3)神経のなかでも運動神経特異的にEGFPを発現する個体としてNMX:EGFP トランスジェニックを作製 (4)動脈のみに特異的にMyr-mCherryを発現するゼブラフィッシュとしてFlt4(artery-specific):mCherryを確立した(Shult-Merkerらの報告にしたがって動脈特異的プロモーターにmCherryを組み込んだ)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず当初2年間で血管神経の伴走部位をゼブラフィッシュ生体で突き止めることを目標にしていた。さらにその伴走メカニズムを3年目以降で検討する予定であったが、既に候補因子の探索まで完了しており、今後は血管から神経を誘導する因子が伴走に不可欠であるか否かを検討するだけになってきている。少なくとも血管が神経の走行を規定する因子については一つは解明できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、伴走部位の同定と伴走メカニズムの解明による血管-神経のワイヤリング機構の理解を目標に掲げている。伴走メカニズムとして背側大動脈から分泌される分子によって、運動神経が導かれることを突き止めており、またこの分子の受容体も神経に発現しており、血管が神経の走行を規定すること場があることがわかった。今後は、神経特異的に受容体の優勢劣性変異体の発現でこの分子による情報伝達がワイヤリングの主体であることを証明する。さらに、血管が先行して神経を誘導する系で本因子の普遍性を証明すべきと考える。
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