2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Systematic study of chromosome adaptation |
Project/Area Number |
22125006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
井澤 毅 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域兼基盤研究領域, 上級研究員 (10263443)
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Keywords | イネ / 栽培化 / 黒米 / イントログレッシ / 転写因子 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / ゲノム |
Research Abstract |
イネの栽培化過程における種子色の変化は、主に、野生種の赤米(果皮にタンニンを蓄積)から白米の変化であるが、イネ品種の中には、果皮にアントシアニンを蓄積し、黒色を呈し、黒米と呼ばれる系統が存在している。 本課題では、その原因と考えられるKala4遺伝子を単離し、栽培化における変化を特定し、その変化を多様なイネ品種のゲノムの変化の中で、調査をする。また、黒米遺伝子の変化が起こった過程をゲノム情報や既知の栽培化関連変異の有無と比較することで推定する。 今年度は、Kala4遺伝子のファインマッピングを行い、候補領域を約5kbに絞り込んだ。その5kbの中のDNA配列は、黒米色を示す系統とそうでない系統で変異がないので、エピジェネティックな変化による変異であると考え、現在、タイリングアレイ法によるDNAメチル化の解析とBisulfate法による変化を調査中である。 また、Golden Gate法により、ゲノムワイドなイネ品種の多型解析を行い、黒米系統を約20系統調査したところ、インディカ型系統が7系統、熱帯ジャポニカ型系統が8系統、温帯ジャポニカ型系統が6系統、確認できた。その後、Kala4遺伝子領域のハプロタイプグループを解析したところ、すべての系統で、典型的な熱帯ジャポニカ型のタイプを示したことから、インディカ型品種も温帯ジャポニカ型品種も、イントログレッションによる遺伝子導入が栽培化過程、初期育種過程で起こったことにより、多様なゲノム背景を持つ黒米イネ系統が生まれたことを示唆する結果を得た。
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Research Products
(3 results)