2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンサーを用いたパーソナルゲノム解析技術の開発研究
Project Area | Personal genome-based initiatives toward understanding bran diseases |
Project/Area Number |
22129003
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
豊田 敦 国立遺伝学研究所, 生物遺伝資源情報総合センター, 特任准教授 (10267495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 伸二 理化学研究所, 免疫・アレルギー科学総合研究センター, 上級研究員 (30415161)
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Keywords | 個人ゲノム / 脳疾患 / 第二世代シーケンサー |
Research Abstract |
個人ゲノム医療を目指したパーソナルゲノム解析が可能となった背景には、短時間に膨大な配列決定を可能にした第二世代のシーケンサーの登場があげられる。しかしながら、頻度は低いがリスクの高い変異を見出すためには、ヒトゲノム上に存在する多型を高感度,高精度に取得することが求められ、配列の精度や配列解析プロトコールの整備が重要な課題である。 本研究では、第二世代シーケンサーを用いたゲノム解析技術の開発および全ゲノム配列決定によりヒトの脳疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、統合失調症など)に関与する多型を明らかにし,発症機構の解明を目的としている。これまでに、HiSeq2000(Illumina)を導入し、高精度かつ高い処理能力をもつ配列決定システムを構築するとともにペアエンドシーケンス用のインサートサイズが均一でバイアスがかかりにくい鋳型調製法を開発した。さらに、高精度に遺伝子コピー数多型やゲノム構造多型などを検出するためには、メイトペア情報の活用が必要不可欠であるが、現行のメイトペアライブラリー作製法では多くのDNAを必要とするため改良を進めている。また、ベースコールを含むデータ処理(ヒト標準配列との比較による多型の検出)を迅速に実行するために解析サーバーの増強および解析パイプラインを構築した。現在、再同意が得られた脳疾患由来の検体を中心に全ゲノム配列決定を進めており、網羅的な多型情報の収集を行っている。最終的には、日本人ゲノムの多型データベース(頻度情報)の構築および高精度な日本人ゲノムの標準配列を作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連携研究者により提供されたすべての検体について、全ゲノム配列決定が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、もっと多くの検体の全ゲノム配列決定を進め、日本人ゲノムの多型データベースの構築および高精度な日本人ゲノムの標準配列作成に貢献することを目指す。また、第三世代のシーケンサーの使用も視野に入れて解析手法の検討を進める。
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