2014 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ゲノムシーケンスに基づく癌の個性の理解と分子標的の探索
Project Area | Integrative Systems Understanding of Cancer for Advanced Diagnosis, Therapy and Prevention |
Project/Area Number |
22134006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 誠司 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60292900)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大量並列シーケンス / がんゲノム / 腫瘍内多様性 / 分子標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
①がんのゲノムプロファイルの解析・新規分子標的の同定に関わる研究については、まず、1)成人T細胞白血病については次世代シーケンスを用いた統合的分子解析を行い(全ゲノム解析48例、全エクソン解析81例、RNAシーケンス57例、メチル化アレイ解析99例)、ATLの発症に関わる主要な遺伝子変異・ゲノム異常の全体像を明らかにした。また、2)低悪性度グリオーマについては、全体で756例に関する詳細なゲノム解析を行うことにより、同腫瘍のゲノム異常・DNAメチル化異常の全体像の解明をおこなった(Nature Genetics 2015)。 ②がんの腫瘍内多様性の理解に関する研究については、全経過12年にわたって系統的に採取された症例を含む493例の再生不良性貧血について、詳細な遺伝子解析によるクローン進化と多様性の解析を行い、MDSの発症に至るクローン進化とこれに関わる重要な遺伝子変異を明らかにした(NEJM, in press)。また、食道癌の前駆病変について、高いシーケンス深度による微小クローン集団の解析を行い、腫瘍の発症にともなってしばしば正常組織にクローン進化が生じていることが明らかとなった。 ③新規予後予測、治療の層別化、新規治療法の開発に関わる研究に関しては、低悪性度グリオーマ756例について、上記①で同定された変異と予後、病型、転移・再発の有無を含めた生物学的・臨床的パラメータとの相関を解析した。その結果、低悪性度グリオーマは遺伝子変異その他のゲノム異常の観点から3つの亜型に分類できること、またこれらは臨床的特徴・予後の点から独立した亜型であることが明らかとなった。これらの知見は同腫瘍の診断・治療選択に対して有用な可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Somatic mutations and clonal hematopoiesis in aplastic anemia.2015
Author(s)
Yoshizato T, Dumitriu B, Hosokawa K, Makishima H, Yoshida K, Townsley D, Sato-Otsubo A, Sato Y, Liu D, Hiromichi Suzuki H, Wu CO, Shiraishi Y, Clemente MJ, Kataoka K, Shiozawa Y, Okuno Y, Chiba K, Tanaka H, Nagata Y, Katagiri T, Kon A, Sanada M, Scheinberg P, Miyano S, Maciejewski JP, Nakao S, Young NS, Ogawa S.
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Journal Title
NEJM.
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] low grade gliomaにおける遺伝子変異の全貌2014
Author(s)
鈴木啓道,青木恒介,真田昌,大岡史治,本村和也,中村英夫,溝口昌弘,阿部竜也,村垣善浩,若林俊彦,小川誠司,夏目敦至
Organizer
第32回日本脳腫瘍学会学術集
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2014-11-30 – 2014-11-30
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[Presentation] 全エクソンシークエンスを用いたlow gradegliomaにおけるクローン進化の解析2014
Author(s)
鈴木啓道,青木恒介,大岡史治,本村和也,藤井正純,真田昌,中村英夫,溝口昌弘,阿部竜也,村垣善浩,若林俊彦,小川誠司,夏目敦至
Organizer
第73回 日本脳神経外科学会学術総会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2014-10-09 – 2014-10-09
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[Presentation] 低悪性度神経膠腫における全エクソーム解析2014
Author(s)
鈴木啓道,夏目敦至,青木恒介,佐藤悠佑,吉田健一,永田安伸,白石友一,塩澤裕介,真田昌,宮野悟,若林俊彦,小川誠司
Organizer
第73回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2014-09-26 – 2014-09-26
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[Presentation] 低悪性度神経膠腫における全エクソーム解析2014
Author(s)
鈴木啓道,夏目敦至,青木恒介,佐藤悠佑,白石友一,塩澤裕介,吉田健一,永田安伸,真田昌,宮野悟,若林俊彦,小川誠司
Organizer
平成26年度がん若手研究者ワークショップ
Place of Presentation
茅野
Year and Date
2014-09-03 – 2014-09-03
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