2012 Fiscal Year Annual Research Report
Regioselective Functionalization by Organocatalysis
Project Area | Advanced Molecular Transformations by Organocatalysts |
Project/Area Number |
23105008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (50214680)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 位置選択性 / 幾何異性 / 遠隔位不斉誘導 / 酸化触媒 / ニトロキシル / 不斉非対称化 / 4置換炭素 / 鎖状ジオール |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は位置選択的分子変換をテーマとし、分子認識型触媒を用いるアプローチを行っている。置換アルケンジオールの酵素法による非対称化は報告されているが、4置換アルケンジオールの高選択的な幾何異性識別アシル化は酵素法を含めてもこれまで報告例が皆無であった。そこで、本年度は有機触媒を用いる4置換アルケンジオールの幾何異性識別アシル化を行った。この有機触媒がNs (-SO2-2-NO2-C6H4) 基を持つ4置換アルケンジオールの幾何異性を高度に識別し,E-アシル化体を高選択的に与えることがわかった。次に、4-アミノ-1,7-ジオールを含む種々の鎖長を持つ σ-対称アミノジオール誘導体の不斉非対称化を行った。その結果、1,7-ジオールの不斉非対称化が高エナンチオ選択的(97% ee)に進行した。通常の不斉非対称化ではプロキラル炭素と水酸基が近い距離にある程高い選択性を示すが,本触媒を用いる不斉非対称化では,短い鎖長のジオールと比べても1,7-ジオールがより高い不斉選択性とモノアシル化の化学選択性を示した.またプロキラル4置換炭素を持つ4-アミノ-1,7-ジオールを基質としても高度な不斉非対称化(~98% ee)が見られた。これらの結果は本不斉非対称化が立体的要因により制御されているのではなく,触媒による精密な基質構造認識に基づいていることを示している。さらにニトロキシル型酸化触媒の開発に着手した。TEMPOに代表されるニトロキシル酸化触媒は環境調和型酸化法として注目を集めているが、ニトロキシル基のα位に4置換炭素が存在するため反応性の低さを回避できないが、この4置換炭素は触媒の安定性に必須である。そこで我々は、電子チューニングによる活性化を仮説とし、α位に4置換炭素を持つにもかかわらず、種々の2級アルコールの酸化に高活性なニトロキシル酸化触媒を開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
位置選択的分子変換をテーマとし、分子認識型触媒を用いるアプローチを行っている。4置換アルケンジオールの高選択的な幾何異性識別アシル化に成功した。4置換アルケンジオールのアシル化による非対称化は酵素法を含めても本法が最初の報告例である。また、4-アミノ-1,7-ジオールの不斉非対称化を行い、高エナンチオ選択的(~98% ee)に達成した。またプロキラル4置換炭素を持つ4-アミノ-1,7-ジオールの不斉非対称化(~98% ee)にも成功した。これらの結果は遠隔位不斉識別に精密分子認識に新たな局面を与えるものである。さらに、電子チューニングによる活性化を仮説とし、α位に4置換炭素を持つにもかかわらず、種々の2級アルコールの酸化に高活性なニトロキシル酸化触媒の開発に成功した。本触媒は基質の電子密度を識別したアルコールの速度論的分割に有効に作用する等の特徴的な化学選択性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
4-アミノ-1,7-ジオールの不斉非対称化に成功した。本法をさらに展開し、超分子ロタキサンやカテナンの触媒的不斉合成を行う。まずは、既知法によりラセミ体のロタキサンやカテナンの合成を行い、その遠隔位触媒的不斉アシル化による速度論的分割による不斉合成を行う。次に本法を不斉非対称化へと展開する。さらに輪成分形成反応を不斉ラクトン化とすることで、超分子ロタキサンやカテナンの触媒による直接的な不斉構築を行う。また、これまでグルコースやポリオール類の位置選択的アシル化で蓄積してきた触媒設計を、ポリオール類の位置選択的リン酸化やスルホニル化と展開し、さらにポリエン類の位置選択的酸化、芳香環の位置選択的官能基化、最終的にはアルカンへの位置選択的C-H活性化に向けた検討を行う。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Protonation-Assisted Conjugate Addition of Axially Chiral Enolates: Asymmetric Synthesis of Multisubstituted β-Lactams from α-Amino Acids2012
Author(s)
Yoshimura, T.; Takuwa, M.; Tomohara, K.; Uyama, M.; Hayashi, K.; Yang, P.; Hyakutake, R.; Sasamori, T.; Tokitoh, N.; Kawabata, T.
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Journal Title
Chem. Eur. J.
Volume: 18
Pages: 15330-15336
DOI
Peer Reviewed
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