2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Hyper Bio Assembler for 3D Celluler Innovation |
Project/Area Number |
23106009
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大和 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40267117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 正道 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00338980)
秋山 義勝 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20349640)
小林 純 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20385404)
高橋 宏信 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00710039)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞シート / 組織工学 / 肝様組織構造 / 微細加工 |
Research Abstract |
これまで開発した、様々な温度応答性細胞培養表面の作製方法について評価を行い、肝組織様構造を作製するための共培養表面技術、組織配向制御技術、培養組織の高機能化技術の開発を行った。表面開始RAFT重合法により作製した温度応答性細胞培養表面では、グラフトされたPIPAAm鎖の自由末端に疎水性あるいは親水性官能基を導入することによって、PIPAAmブラシ表面の相転移温度を制御可能であることを見出し、表面官能基のマイクロパターニングによる異種細胞の2次元共培養系による高機能な細胞シートを作製する温度応答性表面への発展が期待された。また、本手法で作製した温度応答性細胞培養表面と表面パターニング技術を組み合わせて作製したストライプ状のマイクロパターン化温度応答性細胞培養表面上で細胞を培養することで、ターンと同一の方向に配向した細胞から成る細胞シートを回収することに成功した。これにより、三次元組織の配向性を制御するための機能性材料として有用性が期待された。一方、ヘパリンがさまざまな増殖因子と複合体を形成することによってその活性が維持されることに着目し、増殖因子をアフィニティー結合により表面導入するためのヘパリン固定化温度応答性表面を開発した。ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)を導入した温度応答性培養表面を用いてラット由来肝細胞シートの作製に成功した。さらに、アルブミン産生能はHB-EGFを培地中にのみ添加した場合と比較して、HB-EGF結合ヘパリン温度応答性培養表面上で有意に亢進した。これらの結果から、機能維持および低温処理による肝細胞シートの脱着の両方を可能とする結合ヘパリン固定化温度応答性培養表面を開発することができた。これ以外にも、精密マイクロコンタクトプリンティング法によるコーティング条件の最適化を行い、肝細胞培養の条件の検討も行いながら自動積層化装置への応用を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで温度応答性細胞培養表面に作製方法の開発に取り組み、これを発展させることで生体様組織構築に必要な共培養表面技術、組織配向制御技術、生体アフィニティーを利用した培養組織の高機能化技術等の基盤技術の開発を進め、その有効性を確認してきた。特に組織配向制御技術や培養組織の高機能化技術の開発において、再構成3次元肝細胞組織のin vitro評価に必要な蛍光染色手法やアルブミン産生評価についても着手し、評価系として確立しつつある。一方、これまで開発してきた精密マイクロコンタクトプリンティング装置をさらに発展させ、再構成3次元細胞組織作製のための、細胞シート積層化装置も開発し、精密な細胞シートの積層化が実現できつつあることを確認している。再構成3次元細胞組織の評価に関しては、他班が作製した再構成3次元組織の情報をもらう一方で、こちらからはラット、マウス等への移植実験の情報を他班の提供しながら、実験開始の準備を進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、種々のアプローチによるマイクロパターン化温度応答性細胞培養表面を作製し、その有効性を実証するとともに、精密マイクロコンタクトプリンティング法などロボティクス技術を活用した新たな手法の開発に取り組んできた。平成 26 年度はこれらを発展させ、複雑な生体組織様構造体の超高速アセンブラ手法の開発に取り組む。また、バイオアセンブラ手法により構築した三次元細胞組織を他班と連携しながらin vitro 評価およびin vivo 評価する手法の開発に着手する。領域内や領域外他研究機関との積極的なコラボレーションを通じて、具体的には以 下の項目について研究を実施する。 (1) 生体組織を模倣したマイクロパターン化細胞シート作製のための温度応答性培養表面の開発:複数種の細胞からなる共細胞培養シートを作製するため、段階的に親水性/疎水性変化を起こすマイクロパターン化温度応答性培養表面を作製、あるいは精密マイクロコンタクトプリンティング手法を利用する。作製した共培養細胞シートを積層し、3次元組織構造体作製を着手する。(2) 3次元生体組織様構造体作製のための積層化手法の開発:ロボティクス技術を駆使し、正確かつ効率的に細胞シートを積層化できる技術を用いて3次元組織構造体を作製し、さらに厚い生体様組織様構造体作製についても取り組む。 (3) 作製した3次元組織様構造体の in vitro および in vivo 評価:バイオアセンブラ手法で作製した生体組織様 構造体の in vitro 評価は、これまでと同様に共焦点レーザー走査顕微鏡やライブイメージング装置を用いた免疫組織学的検討を引き続き行う。微細加工技術と細胞シート作製技術を融合し、チップ上で3次元組織の毒性評価を行うことができるようなマイクロ流路の作製を試みる。
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Research Products
(10 results)